シリコンバレー日記09
2008/12/05 04:53
SV時刻12月4日午前11時53分
ホテルのロビーでインターネットの端末があくのを待ちながら。
2008/12/05 15:04
SV時刻12月4日午後10時04分
いま、IDEOの本社のすぐ近くのスーパーマーケットにいる。ここにきたのは柳澤さんがオーガニックのもの?がほしい、ということで。一足先に買い物を終えて、車に戻ったところ。佐久間さんは疲れて眠っている。
今日をふりかえる。今日は午後からの動きだし。
昼過ぎにホテルを出て、買い物。なにやらいいワインを手に入れよう、ということでワイン屋に。ワインがいっぱい。おさけもいっぱい。
そのあと「ターゲット」という店で、娘たちのおみやげを買った。スポンジボブ。とてもファンキーなキャラクターである。なぜか娘たちはおきにいりなのだ。カーニーバーガ大好き~♪とよく踊っている。
2008/12/05 22:49
SV時刻12月5日朝5時48分
いよいよシリコンバレーを発つ日である。
昨晩の日記をつづける。
娘たちにスポンジボブをかって、その後は、近くのチャイニーズレストランでランチ。いろんなお総菜の中から、3つを選んでスープがついて、だいたい7ドルちょっと。ボリュームはすごい。味は濃いかな。でもアメリカンな食事よりはなじみやすい。
その後は、一路、サンノゼへ。午後3時。バイオシグナルのセンサーのベンチャー、ニューロスカイへ。
東京ゲームショーなどでも話題で、最近、日本のメディアでも、よくTVなどで取り上げられている「脳波でコントロールするゲーム」を提供している。彼らとしては、ゲーム屋ではなく、あくまでバイオシグナルのアプリケーションの一つとして、入り口の一つとしてゲーム。これについては、すこし記事としてまとめてみたい。できれば、どこかのニュースサイトから、その訪問で見聞きしたことを、(ニューロスカイに了解を得た上で)記事にして、ひろくしってもらいたい。
なお、こういうデバイスをもっている会社が、もう一つある。サンフランシスコにある。そちらはセンサーの数がかなりに多い。こちらのたち位置は、簡単で安価で、を実現する。
それからゲームを実際にやらせてもらう。柳澤さんがトップバッター。ふつう難しいといわれる集中の脳波がかれはいきなりすごい。リラックスの脳波もかなりすぐにだせていた。「ふつう、最初はこんなにできないですよ」とエンジニアがおどろいていう。ある程度予想していたが、柳澤さんが面白法人のCEOたる能力は、強烈な集中力といつでもリラックスして自然体でいられるところに、そのすごさがかいま見られる。
たぶん、創造学会の先生方は、こういうのが得意だろうと思われる。好きなことにはとことん集中できるし、人の中にいても、リラックスして、自分のスタイルで生きている人が多い。
石井もやらせてもらう。集中の立ち上がり、持続度が柳沢さんに比べると負けるが、自分では結構得意だろうとおもっていたがだいたい、そのとおりだった。
このゲーム、おもしろい。いるかを集中することで遠くまで押す。さわらないで脳の状態だけで、物を動かすという、ゲームの味付けがなんとも、「念力」な感じがして、たのしい。
このゲームを通じて、集中力をたかめる経験をたのしくできるのではないか、とおもうと、かなり可能性の高い市場が萌芽的な状況にあると、感じた。
その後、午後5時、ADOBE本社へ。車で数分。サンノゼ空港の近く。飛行機の離陸着陸の軌道上にある。
この会社が一番、警備が厳重であった。車を止めるために、守衛さんがいて、かなり細かく質問をされる。(ほかの会社は、駐車場はほとんどフリーで出入りできた)。入り口のセキュリティーも厳しく、駅のかいさつのようなゲートがあり、社員のカードをかざさないと入れない。見学自体は非常に興味深いものであった。内容については同意書で「見聞きしたことは口外しない」という約束をしているので、書くわけにはいかないので、記憶に大事にとどめておく。
午後6時半頃、社内ツアーを終えて、近くで夕飯。MORTON’Sというステーキ屋がうまいというので、いってみるが、本当にうまい。肉食った!という満足感。アドビ本社からあるいて1分くらい。
店を出たのは9時過ぎ。そこから冒頭のオーガニックの店へいどう。サンノゼ空港のあたりから、IDEOの近くまで、一気に走る。
このころの車中は、だいたい夜になると、あまり日記にはかけない話に。お互いの関心の深いテーマである、ということだけにとどめておきたい。
柳澤さんと、話をしていて、とても「いまのはなし、いいはなしですな」という時があった。普段からも独自の論旨をもっている。ロジックのパーツとなる物や起点が独創的な気がするので、そもそもの論旨はまっとうだが、話が非常におもしろい。もちろん、そのロジックのパーツとなる物や仮説の起点、となることが、本当に正しいものであるのか、当面の仮のものなのか、証明できないくらいのものなので、そう仮定して進んでそれを実現してしまうことのほうが、仮説がただしいのかの労力よりはよほど生産的なのだろう、とか。話を聞きながら、普段の起業家との話し合いの際の「慎重な事実と仮説のきりわけ」を行いながら聞いているけれど、その行為自体がだんだん無意味になる。未踏エリアを未踏手法でいく。そういう彼のクリエイティブなトラクターは、日本のなかでまだ薄暗がりの荒野を、石があったどうしようとかそんなのは無意味なくらいに、がんがん耕していく。そういう人に「それは成功確率がわかりますか」「それは、必ずしも正とはいえない仮説にもとづいていますが、正でなかった場合にはどういう展開になりますか」といった質問は無用である。彼の未踏エリアを耕しながら突き進む世界が、現実であり、未踏エリアがたとえ空想でも、彼の創造のエンジンは、それを現実の世界に転写していく。疾走していく彼のスピードで伴奏していく仲間もいる。それも2人や3人ではなく。
ない物を作るのココロ。
私のチーム(ブレスター開発チーム、アイデアプラント)でも、そういうパートナーがいて、ない物を生み出すのだが、そのモデルは、別のところに別の人が、再現することは、たぶん可能だろう。人材面で同じだけの優れた人間をえることは、かなりむずかしいとおもうけれど。一方KAYACという存在は、そのモデルを別の人が別の場所で再構築しようとしても、きっとむりだろう。この会社は、そういう面白い会社、である。
雇用関係にある仲間がいるのも、いいなぁ、と今回の旅で思った。疾走していく柳澤さんとそれを全力でフォローする長橋さんと佐久間さんをみて。二人とも、ギブ(ギブ&ギ部)という総務部的な部門の人であり、23時間くらい楽しく働いてる。これくらい優秀な人が、とれるならば、という高いハードルつきの話だが、部下をもつのも、悪くないなぁ、と。
自分の力を2倍、3倍、場合によっては10倍に、できるかもしれない。自分の思いを実現するタイミングはうちなるシグナルでやってくる。僕の場合はつねにそうだ。シリコンバレーの流儀からいくと、それは外からやってくるし、今このときはじめよ、なのだが、僕の場合は、変えられない自分スタイルが、それ。その次のシグナルがきたら、そのときには、すこし組織的な仲間をつくることも、かんがえてみていいな、とおもった。
柳澤さんが、いったいいことば。
「人みんなは損したくないとおもっているだ。でもそんなの関係ないんだよ。」
お金を損したくない、それだじゃなくて、たとえば、みんなで荷物を運ぶとき、一人3つのところを自分だけ4つはこびたくない。そういうココロがある。そういうのがない境地にいきるのが彼であり、「彼ら」なのだ。
2008/12/05 23:54
SV時刻12月5日朝6時54分
今回の旅を振り返るのは、飛行機の中にしよう。ホテルを出る時間が迫っている。