2009.07.14 アイデアワークショップ(&アイデア創出の技術&創造工学の講演) アイデア創出会議をデザインしよう昨日は、アイデア創出支援の仕事(コンサルティング)の仕事をしていました。 すごく面白い構想を立てておられる市民団体さんからの依頼で、アイデア創出会議を支援するために、呼ばれて支援をしてきました。 その時のことを、クライアント情報保護しながら、概念的なものに変えてざっとご説明したいと思います。 良いアイデア会議には、適切なよくデザインされたアイデア出しのテーマ(お題)が必要です。漠としたテーマでは人は発案しずらく、理想状態と方法論まで提示されているものは、アイデアの出せる幅が少なくなります(この場合は、アイデア会議ではなく、意志決定会議や役割分担会議、など、会議の5つのスタイルのうち、別のものをするべきなのです)。 テーマを、よいころ合いに設定することが重要なんです。 そして、アイデア創出会議のプロセスの設計があります。アイデアを出す、という部分にも、ブレストに3つぐらいのスタイルがあります。 クライアントの目指したいゴール、参加者の構成、会議時間、などをかんがみて、最適に設計します。 そして、アイデアを「選ぶ」、これについては、よりデリケートさがいります。複数の人間が、協働して創造力を発揮していくのは難しいですが、複数の人間が、アイデアを選択していくのは、もっと難しい。うまくやらないと「もう、この会議には参加したくない」となります。かといって、複雑で時間がかかるプロセスも現実的ではありません。 そのため、クライアントとは、進行案を作り、どういうメソッドでアイデアを選択するかを、仮に決めておきますが、時間やメンバーから出てくるアイデアによって、臨機応変に、アイデアの収束方法を再選択していきます。 ちなみに、この日は、ブレイン・ライティング・シートを使い、アイデアを出しました。18分で合計144のアイデアが出ました。重複をのぞくと70~80ぐらいのアイデアでしょう。そこから、ハイライト法で、質の高い上位20ぐらいを抽出しました。 これを、もう一度行い、この組織にとっての今後の企画スタイルの骨子を抽出できました。 大量の中から選ぶ時に、魅力度で選び、そのリストの中から、実施は制約があるので、優先順位の上の方は、「すぐできるもの」になりますが、そのリストの下には、魅力的で(すこし努力を要するもの)と、魅力的で(相当にチャレンジがいるもの)を抱えて、アイデア会議が終わります。 そうすると、すぐに具体的活動に入れて、一方で中期・長期での、取り組みたいアイデアも明確になります。 こういうスタイルをつかうと、具体的な次の一歩と、大きな方向性の先先に向けての余力があったら打つとよい、という手が見えます。 遠くを見るのと、次の具体的な一歩を見定めるのは、セットで、です。 どちらかだけに偏重する会議は、アイデア会議としては、参加者にとっても不満かストレスがたまってしまう、損失の大きな場になります。 (アイデア会議の運営方法を求めて読んでくださっている方へ)必ずしも上記だけが唯一のスタイルではないので、できるだけ、参加者の知的能力を最大に引き出して活用し、可能性を作り出せるアイデア会議を設計してください。アイデア創出会議といっても、ブレストばかりがやり方じゃありません。 « エアバッグの父・小林三郎さんのご講演 大学院のゼミ、最終日でした »