インキュベーション・マネジャーの仕事
「インキュベーション・マネジャーは、実際のところ、何をしているのだろう?」という疑問に答えるべく、インターン生として参与観察したことがあります。それらを中心にここで、インキュベータについて整理してみたいと思います。
※インキュベーターとは「創業して間もないベンチャー企業が、独力でも十分に事業を展開していける段階になるまで、経営を多面的にサポートして施設」を言います。直訳としては、「孵化器」です。卵をかえすための装置。インキュベーターといってもそのサポート範囲はさまざまです。安い賃料で起業家に部屋を貸す「部屋貸し業」といったタイプや研究開発の装置などの安価な利用を提供するタイプ(ハード・サービス)、経営コンサルタントや弁理士や会計の専門家などのサポートも提供するたタイプ(ソフト・サービス)までを含めた本格的なものまであります。
2004年の夏に、宮城にある老舗のインキュベータでインキュベーション・マネージャー(以下、IMと表記)の下にインターン生として1週間体験させてもったときの報告を再掲します。このインターンでは守秘義務がなかったので、ブログで報告が出来ました。固有名詞については私の判断で記号化などの処理をしています。
0日目(これからはじまります) 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目
体験を私なりに整理してみました。ミンツバーグ、マネジャーの10の仕事をベースに考察。
まとめ(地域全体をクライアントとしたインキュベーション)
経営者としてのマネジャーのフレームワークなので、意思決定についてはIMにはあまりウエイトがありませんが、「対人」「情報」については、その特徴がよく現れたと思います。
花巻(岩手県)に、有名なIMがおられます。以前そちらを視察訪問できるチャンスがあってお話を聞いてきたのですが、やはり開放系の組織といういみでの「地域企業全体をインキュベート」していたことが印象に残ります。こちら
その他:I社訪問 A社訪問 A社訪問2
※参考サイト※ 今回、整理にあたって関連情報を調べてみたところ、面白い話が各種の専門サイトにありましたのでご紹介します。
未来人NHKのサイト。
インキュベーション・マネージャーの活動を分かりやすく紹介しています。ざっくりとこんなことをしているのか、という感触がつかめます。ただ、属人的な要素がたぶんに含まれていることには注意が必要です。
産業立地日経のサイト。
海外の複数のインキュベータを訪問・分析した報告を分かりやすく紹介しています。
ビジネス・インキュベータ経済産業省のサイト。
日本におけるインキュベータの現状データなどの概要が示されています。特にサイトの下のほうの「ビジネス・インキュベータの効果的な起業支援および効率的な運営のためのガイドライン2005 (PDFファイル 2,031KB)」は、起業支援などを勉強するためのよい資料になりそうです。
インキュベーション・マネージャーとは経済産業省のサイト。
IMと支援ネットワーク環境などについて俯瞰的な説明が端的になされています。
インキュベーション・マネージャーとはJANBOのサイト。
JANBOとは「日本新事業支援機関協議会」の略称。実質的なIMのオーソリティーです。サイトの下のほうにあるIMミニレクチャーでは用語集など、情報サイトとして充実しています。
インキュベーション・マネージャー概論JANBOのサイト。
JANBOの研修がシリーズで掲載されていますが、このページは特に、IMがどういう仕事をするのか、についてしっかりした説明がなされています。