非対称のフォルムの時代
TRIZにおける「技術の進化トレンド」には、
対称→非対称、という発展のトレンドがあります。
2つの面から、それは支持されていると思います。
一つ目は、大量生産。
大量生産にむく製品は、平面的であり、対称的。
少量で高い価値のものを生産する時代には、
大量生産のための形状、という制約は徐々に外れるでしょう。
(個別には、子供用の靴など、産業レベルですでに生じました)
二つ目は、手の非対称性。
円や円柱状の形状は、人間の手のひらのとっては
引っかかりがなくて、余計に力がいる。
UD性のたかいステープラーでは、
手のひらになじむように卵型のフォルムが採用されています。
人間の体には、軸対称・左右対称である部分も認められますが
それ以上に、非対称の部分が多くあります。
二つ目は、大量生産の作り手にとっては都合の悪いものでした。
これまでのようは大量生産の産業から、産業が転換するこの時期、
多分、非対称のフォルムにより、
「価値(おもに使いやすさや、人間の少ない筋力での操作)」
の高い製品が増えると思います。
短期的にはそうではないものも登場するでしょうし、
価格勝負のエリアではそういうトレンドは出現しないかもしれません。
ただ、一部の産業を見通す指針には、なるはずです。