宮城のある機関の、すごい集客力。秘訣は「質と量」の正道をゆくにあり。
2月19日に、宮城で講演を致します。
平成21年度第4回職業能力開発推進者講習会
多くの場合、公的機関系の行うイベントは満員になることはすくなく、直前まで各種の地域メルマガでアナウンスがされています。
しかしこの講演会を主催する「宮城職業能力開発サービスセンター」さんは、ちょっと違います。彼らが正式に募集開始して、わずか数日間で定員(100名)に達しました。開催の1ヶ月以上もまえのことです。いまもなお申し込みが増えていて、増席対応にも関わらず、キャンセル待ちの人の数は、それだけでもセミナーが1回分ひらけるほど。
内容は、かなり硬め。私もいつものトーンとはタイトルが違いましてこうなっています。
創造経営を目指して
「枯渇するアイデアを
社員のやる気とともに
引き出すには」
私としては アイデアワークショップをしたいところですが、体験をすこし抑えめにして、創造する組織を目指すときに役立つ実践的なノウハウをお伝えすることにしました。
この硬めの講演内容で、こんなに人が集まるのは、なぜだろう?とおもっていました。
今日、打ち合わせも兼ねて主催者さんにお会いしてきて、そのやり方を伺いました。
彼のやり方はすべてが、よく検討されています。
まず、この講演会、最初のオファーがきたのは、なんと去年の4月。一年かけて、講演内容を、各演者がねるので、そもそも時間的にとても熟成する、という側面があります。かれは、企画段階で、そのテーマに付いてたくさん調べているそうで、彼が頻繁に発行するメルマガ(多いときは週に2通ぐらい、メルマガが届きます)には、講演会の内容について、周辺知識を豊富に盛り込んでいます。講師役を彼自身が出来る水準にあるとそれを見て分かります。発想法の文献についてもよく研究されていて、私も初めて知るような、言葉もあったりしました。これを1講演枠について8回ぐらいのメルマガで伝えます。事前に演者と話しあった内容を、ふまえて「こんな方法がある」「こんなふうに使える」といったものを書かれています。そして「当日、そうした話もあるかもしれません」と結びます。揺れている段階の内容を、醸しつつも、不確定なまま提示出来るその文章タッチが、これには重要だと思いました。
こういう手厚い、顧客関係性構築をはかっているので、正式公募前に、すでに大きな感触をえていたようです。そして、公募開始後には各種の公的機関の発行するメルマガを全エリアから主要なものをピックアップして、直々に掲載をお願いしていく、ということをされたそうです。なかには、発進前にすでに定員に達してしまったので、アナウンスを取下げてもらったケースもあるそうです。
チラシにも、硬い機関にしては、くすりと、笑わせるようなしかけもあったりして、笑いもわすれていません。
どれも、王道なやりかたで、特殊な方法ではないのですが、それがなかなか忙しさにかまけて出来ない組織・企業が多い中で、この「真面目にやる。とても深くやる」というのは、学ぶべき姿勢だとおもいました。
たくさんのPRをかける(量の努力)。それと同時に、発信する内容が毎回学習コンテンツになっていて、専門家レベルでも、思わず読んでしまう水準にまとられている(質の努力)。この両方を、車の両輪として、まわすのだ。と改めて思わされました。