効果的な Convergent thinkings を学ぶために
前の記事で紹介した収束思考(Convergent thinkings)の
ガイドラインを今一度、掲載します。
To Converge・・・ (収束思考のためには)
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Be affirmative. (肯定的であれ。アイデアのよいところに目を向けよ)
Be deliberate. (配慮せよ。粗い判断をせず全てのアイデアを公平に検討せよ)
Check your objectives. (目標をチェックせよ)
Improve ideas. (アイデアを改良せよ)
Consider novelty. (新しさをよく考慮せよ)
これを心理様式として、身に着けるには、どうすればいいか、
一つずつ、考えみます。
■Be affirmative. (肯定的であれ。アイデアのよいところに目を向けよ)
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アイデアの評価段階で、これができない、あれが足りない、としたいところですが、肯定的な見方で、アイデアを見ていくこと。アイデアのよい部分にいて、強制的に考える作業を組み込むのもいいでしょう。
(IDEAVoteでは、役名札、というものを、各人にわりあて、最初にあるアイデアのよいところをコメントしていく作業プロセスがあります。その作業をガイドするために「○チップ」というものがあります。「×チップ」は「○チップ」を全部出し切るまで使えない、という設計にしてあります。)
■Be deliberate. (配慮せよ。粗い判断をせず全てのアイデアを公平に検討せよ)
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つい、吸引力のあるアイデアだけをみて、決めてしまうことがありますが、まず、場に出ている全アイデアに目を通すような作業を組み込むのもいいでしょう。
(IDEAVoteでは、チップをゲームスタイルで次々置いていくため、めぼしいアイデアにチップを置ききってしまうと、どれかにおこうとして、結果的に全部のアイデアに目を通すように設計してしてあります。)
■Check your objectives. (目標をチェックせよ)
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アイデア出しのテーマが何であったのか。アイデア会議のクライアントは、アイデア会議からなにを得て帰りたいのか。そういう目標を、つねに意識できるようにしておきます。それらを紙に書いて、ホワイトボードに張っておくのもいいでしょう。
(IDEAVoteでは、お手本アイデアの場合でも、アイデア出しのテーマが設定されています。これを振り返ることで、よりよい判断力を継続することができるように設計してあります。)
■Improve ideas. (アイデアを改良せよ)
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アイデアを、きちんと熟慮・検討していく中で、アイデアの弱点を補ったバージョンのアイデアを発想できることがあります。それらをきちんと生成して、場に新しいアイデアとしてうけとめて上げるような作業を組み込むのもいいでしょう。
(IDEAVoteでは、○チップ、×チップを出す時に、その理由をコメントする仕掛けになっています。それを考えることで、アイデアの長所を明確にしていき、一方でアイデアの短所(直せばもっとよくなるところ)を発見していく、という体験を自然とできるように設計してあります。)
■Consider novelty. (新しさをよく考慮せよ)
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アイデアの新規性の高いものほど、実行可能性やものづくり面で、見えない要素が多く、結果として、採用されにくくなる傾向があります。アイデアの新しいとことはどこだろう、これにはよいオリジナリティや新鮮なアプローチがあるのではないか、ということを十分に目を凝らしてみる。そういう作業を組み込むのもいいでしょう。
(IDEAVoteでは、8つの価値軸の先頭に「あたらしさん」という赤い札の役割をいれています。チームの選択上、これが選ばれないケースも出てきてしまうのですが、順番を1番にもってくることで、自然と、選び取られる割合が高くなるように設計しています。)
IDEAVoteは、優れたアイデア収束作業の心理様式を、自然と体験して身につける道具として、開発しました。この道具の持っている思想がなんであるのかは、ユーザは意識せずとも、次第に、賢明なアイデア収束の心理様式、を知らず知らずのうちに学んでいく、そんなツールです。
なお、IDEAVoteだけが収束思考を学ぶ道ではない、と、公平に申し上げておきます。上記の概念を別の形で(たとえば、プロのコーチであれば、質問プロセスに。学校の先生であれば、ディスカッション手順として)取り込んで、メンバーのアイデア創造・選択能力を高めることに使ってもらえたら幸いです。「道具」がたくさん売れることよりも、「創造的な人や組織の誕生に資すること」ができれば本望です。
アイデアプラントの理念は「創造的な人や組織が次々生まれてくる社会を創りたい」です。IDEAVoteの開発・商品化は「収束思考を自然に学ぶ体験」を「道具というモノ」にして提供したい、という私たちの考え方です。
(とはいえ、開発に2年半をかけましたので、次の開発予算をつくるには、ある程度、損益分岐点プラスアルファぐらいは目指したいところです。ぜひ、3月15日の発売日には、よろしくお願いします。)