孫正義は『発明のプロセスを発明』す 【再掲+追記】
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ソフトバンクの孫さんの若いころの250の発明、という逸話は、経営学修士の院生さんには比較的なじみある話題です。私は2005年ごろ、MOTの博士コースで、ベンチャーの事業戦略について研究していました。その時期のブログに、上記を書いたのでした。それを再掲しました。
この発想方法「3カード発想法」は、シンプルでとても強力な一人ブレインストーミングの方法です。オズボーンの文献に類似の逸話が登場します。ある商店街で才気あふれるウインドウ飾り職人の発想方法に関する話です。
当時の文献では「効率的な発想をロジカルにスマートにしていたんだろう」と勝手におもっていたのですが、それは、どうも大きな誤解だったかもしれません。最近、孫さんの志、という講演内容をネットでよんで、彼の血のにじむような勉強の日々、その中で一日5分をさいて、発想(発明)にあてた、ということだとしたら、それはしびれるような逸話であり、かつ、いくら3カード発想法が、よい発想技法だとしても、5分で毎日その創造フェーズまでたどりついたとしたら驚異的な知力の持ち主であることが、察せられます。講演の内容からするとかなり広範囲な知見と俯瞰できるだけの世界の動向についての知識を得ていたともおもわれます。エジソンの発想特性について言及する書物でも、彼が(いまでいう)テックモニタリングや、経済紙への精通がみられますが、孫さんの猛烈な知識学習の過程でそれに近い状態にあったのかも、と思います。
5分で1発明(高度なアイデア、というべきかもしれませんが)。それを一年ずっと。
並大抵の思考能力と意志の力では、それはかなわないだろうことだけは、わかります。
大志。
これは、創造能力にとって、スパークプラグのようなものでもあるのかもしれない、と最近、とにに思うのでした。イノベーションのスパークプラグ。