志した道をゆくには、時に「退く」も要る
2010年2月12日。
IDEAVoteの発売が違いこの日、大学院から書類が届く。復学OR退学、の選択を2週間で、とのこと。若干予想より速いため焦るが、若干早まっただけのこと。
さて、どちらにしようか、まよう。
結論としては、退学を選ぶだろうことは、わかるが、それでも迷いは捨てきれない。ふだん、この水準で迷う(ココロが葛藤する)ことは滅多に無い。書き留めておこう。
【+】退学のメリット
・学費(年間52万円)がかからない
・研究に必要な週に2DAY(準備と当日)の時間が、事業に使える
・「費用」「時間」の両方が開放されて、精神的に余裕を作れる
・空いた時間で、新しい作品や本を作れる
【+】復学のメリット
・大学院に在籍している、という事実を使える
・学割が効く
・学びづつける姿勢が出来る
・他の分野の学びも得ることが出来る
【-】退学のデメリット
・大学在籍をうたえなくなる
・学び続ける強制力が働かなくなる
・図書館が使えない
・他分野の学術知識に触れにくくなる
【-】復学のデメリット
・お金がとてもかかる
・時間が沢山掛かる
・お金と時間が圧迫されて、精神的に不安になる
・新しい作品(本やツール)を作る時間がなくなる
・教務の面倒な対応にいつも悩まされる
・仮に博士がとれたとして、博士のレベルと言えない博士は
自分の哲学に合わないので、ちょっと気持ち悪い。
これらを考えると、こうなる。
将来、お金ができ、事業から自動的にお金が入ってくる時期がきたら
大学院に入り直すことはできる。学ぶのがこのまま好きで、
きちんと通学できるぐらいになれば、たぶん、社会人学生をするだろう。
アカデミアの雰囲気が好きだし。
また、東北大に限らず、東大や京大のコースに行くことも可能かもしれない。
(とはいえ、入学試験が受からない可能性はあるが)
もともと、博士を取りきろう、ときめたのは、小糸樹脂の渡辺さんが
博士があると、仕事を依頼しやすくする人が多い、という種子で
おしてくれたから。
もっとまえ、東北大・博士コースにはいったのは、商社をぬけだす大義名分、と、学びたい知識の存在、があった。前者は入学時点で達成、後者は、2年間でほぼ達成した。
博士をとることに、すでに意義はなくなっていた。
しかし、勿体無いので休学をしていただけ。
なので、復学せずに退学しても良かったのだが、
可能性は保持出来る限り保持したいとおもって、今に至る。
また、両親に対する意地もあった。
意地と言うか、退学するといったら、きっと悲しむだろうとか、
仙台に拠点を持って進めていく、という決意をしめしたことに
対する不誠実、と評価されるかもしれない。
しかし、仕事が数年は忙しい。忙しくなければ逆にまずい。
そういう中で、一度、退く。
しかし、バイクを手放した時のように、いずれ、状況が
ゆるせば再開したい、自分自身の”思いの種”なのだ、それは。
もしかしたら、死ぬまで博士はとらないかもしれない。
でも、それでもいい。
自分が本当に心底叶えたいものがある。
そのために費やす人生でありたい。
もし博士がそのスコープにあるならば、とればいい。
でも、世間体などをおもって、ならばやめたらいい。
どうせ死ぬ日には、気にしていた世間体の相手も、見栄もなくなる。
充分に燃焼して生きてきた日々の記憶だけが、
最後の時に手の中にあるものだ。
だから、「今を生きる」ために、迷いをすてよう。いまここで。
退学をする。と決めよう。
しかし、一方で、デメリットに上げたことは
カバーできることも、組み込んでおこう。
1)大学在籍→学会在籍(創造学会)。論文も投稿しよう。
2)学び続ける強制力が無くなる
→週に0.5日、本をよむための時間(カフェか、図書館)を
設けること。朝の1時間×5でもいい。
これは、仕事をする上でも大事だ。
3)他分野の知識
→他の大学の公開講座などを見つけて、毎年1つ学ぼう
→優れた研究者を見つけて、訪問してお話を伺おう。