テーマ設定ワークの道具も
優れたアイデアワークには、「4つのフェーズ」があります。
【設定】テーマを適切に再設定する
【発散】アイデアをたくさん出す
【収束】上位の優れたアイデアを抽出する
【強化】アイデアを強化する
2007年~2010年までで、【発散】【収束】のフェーズのツールを作り、2011年は【強化】のフェーズを作る予定でした。しかし、この度の社会インフラの混乱で全国へ出ていく仕事ができないでいまして、むしろ作っておきたい道具をどんどん作る時間が手に入りました。
そこで、ずっと温めていた【設定】段階のツールの、最初の本当にラフな段階の試作にも今日は、取りかかってみました。
これまで、アイデアワークショップの何割かでは「良いテーマを設定するためのワーク」を入れていましたが、それを補佐する道具となるものです。
”かける!”と思って書き出してみると、1シートになりました。写真はそれを一度描きなおしたものです。
もうすこし余裕を持った紙面でもいいのですが、ワークショップ用のツールとしてならば、まずは及第点かなと思います。これを、ブレスターのように、一人歩きが可能な道具にするとなると、情報が足りません。必要な情報をどう入れようか、思案しています。この場合最適な情報の入れ方は、カード、シート、あるいは、ビデオ動画、なんだろうか、と。
作ってみて、わかったのは、作ってみると「具体的に足りない点がわかる」ということです。当たり前のことなんですが、それをはっきりと、手に取って感じたのでした。
このところ、紙面構成案を一発目からPCで作ってしまうスタイルを一時休止しています。ペンと紙。これでやって、何度も紙に書いてみて感触を確かめています。多くの先人に見られる回帰行動を自分もまた自然としています。
”石井さんの仕事って何が本業ですか?”と効かれると”ツール作家が私の仕事の本質です”と答えていいますが、このところ(3月10までの意味でのこの所)、各地・各社へ呼んでいただいて、すっかりワークショップ講師業のようになっていましたが、やっぱり、私の、社会への価値の返し方は、道具を作るしかないのだ、と思っています。
作る。作品を提供する。ワークショップを提供する。得たことからまた作る。そういう日々を、ずっと、ゆきます。
(余談)
最近、よくこのフレーズを思い出します。
「欲しいものは、作るしかない。」
いつか遠い日の平和なある年のお正月に2分にCMがありました。ビール会社のミュージカル風の2分間のCM、「ないものは、作るしかない」。いろんな人が、いろんなものを、作る社会になるでしょう。多くのものを無くしましたが、この段階に立ってしまうと、人間は強い。ないものは創るしかない。願わくば、21世紀初頭に我々が行き着いてしまった”物質的豊かさ”とは違う、新しい発展を、皆で遂げたい。そう思うのです。