絞る戦略と広げる戦略。
得意なことに注力せよ、といわれる一方で、複雑な工程を必要とする仕事をすべて一社で行うことで特急案件のクライアントに重宝されるという戦略をとる企業もあります。この種の企業の戦略は、「絞るの逆を行く」というだけの単純な話だけではありませんが、もっともらしく語られる「戦略的には今の時代は○○だ」ということばを時には無視して思いっきり逆を取ってみる、というのもいいかもしれません。(もちろん、その上で慎重な考察が必要ですが)
この2つの事例を分析的に考えるときには、「生産量が大量であること」と「特急の仕事に対応できること」の2つが分析時の2つの軸となります。つまり生産量が大量もしくは少量という軸。それから、生産の期間が短い(特急)と長い(計画的)という軸。そして、これを表にしてみました。(クリックすると大きくなります。)
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こうしてみると、絞る戦略は左上、広げる戦略は右下、と位置づけられます。
それからさらに、残った升目にも当てはまる戦略をうめてみました。右の上は、生産量は少ない仕事かつ計画的(急がない)という仕事です。これをそのままこなしてしまうと、単価は安く発注量もすくないただの下請け的な仕事をしてしまいますが、ここのセグメントの仕事では、計画的であることを利用して「十分な生産量を確保してから一気に効率的に作る」戦略と「計画段階から発注主の設計に参画するもしくは難しい工程をコンサル的にサポートする」戦略があります。
そして左下。ここは大量で急ぎです。一般に大量を急ぎでこなすことは難しいのですが、そうはいってもお得意さんがいうならば、という世界。ここは旧来的な系列という関係性の形成、ということがあげられます。それから、ある程度スペックを標準化しセミオーダーもしくは完全にモジュールにすることで急な仕事に対して仕事を迅速に行う、という戦略があります。
以上、絞る戦略とその反対の広げる戦略、という視点から分析軸を出しその保管的な位置づけの戦略について考察してみました。
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ちなみに、ここから得られる思考構造として、
1、よく言われる事例と逆をして成功した事例を発見したら
2、異なる2つの価値が各々なんであるかを記述し
3、そこから1つもしくは2つの価値軸を抽出する。
4、2軸をつかってマトリックスを構成し、残りの升目も考察的に埋める。
となります。よく経営学関係の学会では4タイプわけすることで学会発表を行いますが、そうしたことの何か参考になれば幸いです。