リーダーは地図をつくれ
いろんな組織が周りにあります。過去にもありました。自分が組織の一員のこともありました。組織の創設者の事もありました。アイデアプラントや宮城TIRZ研究会はずっと、代表をしています。
そういういろんな立場の中で、自戒の念を(思い切り)こめて、想起したことを書きとめておきます。
リーダーは地図をつくれ
その組織の参画者が、そのフィールドで「何をしていいのか」「何をしようとするとそこから外れてしまっていることになるのか」が分からない場合、参画しているメンバーは、徐々に自発的行動意欲が減少します。
人間は、何かをするにつけても、それはしてもいい事なのか、代表者の考えを聞かずには進められない、という状況では、自分の中の裁量に幅が持てず、だんだん貢献的行動も無駄になるなどの経験を積み重ねて徐々に最低限の事しかしなくなります。これは、多くのつくられてきた組織を内外で見ていて非常によく出現するシュリンク・パターンです。
一方で、メンバーが生き生きと自律的に動いてさまざまな展開をしてくような、疾走しつづける頼もしい組織もあります。そういうところは、リーダーが明確な”ことば”を振り出しています。それは「何をしていいのか」を具体的なレベルでこまごま決めるというスタイルの”言葉(規律)”ではなく、自分たちの目指す方角を指し示す”言葉(ビジョン)”です。現場で各々が対応し、思考し、選択肢を挙げて選び取っていくときに、その意思決定を補助してくれるとてもよいツールになっている、そういうタイプのリーダーのコトバ、です。
その言葉は、地図、に似ています。部下それぞれが、「その方向に前進するという目的に照らしてみれば、俺のこの選択は正しい」と自信を持って、素早く判断できる、といった地図に、似ているのです。
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自分でもそういうことがきちんとできているか、というと、全然できていません。ここまで明確にその必要性がわかっていてすら、なお、出来ていないので調子悪いのですが。。
昔、企業から、大学院(MOTの博士課程)に戻った時、経営の修士の戦略論の講義も同時に受講して、リーダーが持つべき道具をカード型アイテムで作ろう(自分のために)、と思って作ってきたものを、掲載します。
毎年ちょっとずつ変わっています。
昔の記事はこのカテゴリー「 航海マネジメント・ツール」に、あります。
2008年頃の自分のエントリー「手段が目的化する」心理を把握することから始めよう を読んで、昔の方がいいこと言ってたな、とおもったりもしていました。
未来の自分がまた読むであろうことから、ここにメッセージを送ります。
「自分だけが方向がわかっている、自分だけが事業ドメインを可視化できている、そのレベルでは駄目。まず、自分自身がすっごく具体的にくっきりわかってようやく人にシンプルで具体的なことがいえる。もっともっと、カラーで、動画で、自分の頭の中の地図を、たどり着きたい未来像を、持たなくてはいけない。」
2012の年末、書斎にて、私はそう未来に向かって、言っておきたいと思います。一年後の自分が見て「あー、ハードルあげやがって、、、過去の俺め、うらむぞよ・・・」と思うのでしょうが、過去の自分は別の人。頑張ってください。
来年の12月の上旬は、311の震災から1000日目を迎えるタイミング。社会が、にわかに、311から1000日たってもこの様か、とざわつくでしょう。でも、それでも、そこまでもそこからも、自分の志した道をまい進して行こう、と思います。