ハイライト法。発散アイデアの山から20%を取し出し構造化する
ハイライト法。という収束のフェーズの技法をご紹介します。この技法の出典は、ブレア・ミラー他 『創造的問題解決』(2006、北大路書房)です。簡単に言うと、パレートの法則と、簡便な評価法(○と☆をつける)と、KJ法を、組み合わせたような作業です。
アイデア出しの活動では、発散技法が多く紹介されていますが、そこを乗り越えた人、あるいはもともと、創造的で発散思考は得意な人、にとっては発散の次の収束の手法を知りたい、というニーズが結構聞かれます。私も自分の方法を整理したり、他の本を見たりしていたのですが、なかなかよい方法が見つかりませんでした。
チェッカーボード、という評価方法や、技術系ではコンセプトの進化と選択、という方法もありますが、なにせ選択肢が多い状況では、精査も楽ではありせん。アイデアを山のように出したがために収束にはいって、どうにも立ち行かない、なんてことはばかばかしいです。アイデアを沢山出したってまとめる段階で、収拾がつかないよ、そんな言葉をおっしゃる方もいます。たいていの場合、そうなるでしょう。そして、えいっと鶴の一声で、一つを選んで適当に体裁をととのえて、まとめていることも多いでしょう。(私のワークショップでも発散メインの時には、そうしています。短時間でまとめてください、といって、一つだけをメインに選んでプレゼンしてもらいます。)
さて、全部を丁寧に評価ボードに挙げて吟味する方法と、えいっと一つだけを選択する方法の他には、何かその中間的な方法がないでしょうか。そこに答えるのが、このハイライト法です。全体のアイデアが100個出ているとしたら、そこから20個程度を選び出す方法です。根底には、全体の8割のエッセンスは2割のもののなかに存在している。という考え方です。必ず20個程度になるとは限りませんが、大体、100個出したら、それくらいのオーダー。そんな意味にとっています。
大まかなステップとしては以下の3ステップです。
1 ヒットする
2 クラスター(束)にする
3 言い換える
はじめにすべてのアイデアカードをレビューして、ある視点(面白い、などなど)で☆印をつけていきます。それによって、2割のアイデアを抽出します。
このときに、面白い、などの☆印をつけるときの視点としては、以下のような視点がポイントになります。(引用文献から表現などを加工しています。)
将来性がある。パワフルである。好奇心をそそる。革新的である。
目的にかなっている。きらめいている。
挑戦したものを解決している。明確・魅力的、正しい方向へ進展している。
実働可能、おもしろい、金の稼げる、適切、正しいと感じる。
マークしたあとは、重複を避けるために、関係した選択肢をあつめてグループやクラスター(束)にします。
そして言い換えます。具体的には、クラスターのなかの選択肢を結合して一つのステイトメント(宣言文)に統合します。過度に単純化することがポイント。本質を抜き出し、クラスターに生命をあたえがごとくに。
なお、このクラスターの言い換えは、すぐ次のページ(P40,41)で詳しく説明されています。
以上、これらをつかって、評価ボードや、コンセプトの進化と選択を行えば、非常に優位記事作業ができます。収束ができない、となやんだら、ぜひ一度ハイライト法を試してみてください。