30才の地図。
5月3日。今日は、一日じっくりと、考え事をしていました。
2004年、当時30歳だった私は商社を退社して、東北大の博士へ進学したのですが、その6月に、それまでを振り返り、そして、その先の進むべき道を定めるために、3日間ほど、工学部の図書館に朝から夕方までこもって、30歳の自分にとっての地図を作っていました。
それを時々節目に開いては眺めたり書き加えたりしていましたが、最近はずいぶん見ることがなくなっていたのを、じっくりとみながら、考え事を。
驚くことに、三年前に予想していたこと、迷ったときへの自分への行動指針などを、今の自分が「はっとさせられる」ものでした。人間、異なる時間の自分は別人、と有名な方が言っていましたが、まさにそうだなぁとおもいました。当時の自分の力強い信念が、今の自分を刺激する、なんてあるんですね。
大量の夢カードの整理もしました。ある方に教えてもらってから愛用している名刺サイズのメモカード。これには、そのときにしたいとおもったことや、かなえたいものをそのつどメモしてとっておくのですが、一年前の自分が思いついていた企画に、ヒントを今得る、というのもあります。
考え事、をするときには、紙に書く、ということが重要、といわれることがあります。私も賛成です。
紙に書く、というのは、未来の自分への指示書、でありえる。
紙に書く、というのは、異なる時間の自分とのブレスト、でありえる。
ちなみに、30歳の、商社をやめたてのころに考えてた「ビジネス能力」は、以下のように書いてありました。
ビジネス能力=知識+パターン+人脈
マネジメント・経営するには、「その仕事の知識」を持たねばならない。その仕事に関する必要な知識を持たないものがマネージャーであり続けることは現場にとって大変非効率なことだ。
マネジメント・経営するには、そのめまぐるしく変化する状況で、考えるよりも先に、体が動くくらいの「行動パターン」が身に染み付いていることが重要である。問題が起きたときに何をするべきかすぐに頭が回るくらいの「思考パターン」が身についていることが重要である。知識があってもとっさに行動ができねば下はついていかぬ。信頼されぬ。
知識とパターン、の2つがあって、さらに必要なのは「人脈」である。一人で完結する仕事はない。自分のチームのみで完結する仕事はない。構想を実現しようとするならば、その必要なサポートを、迅速に確約とってまわれるような優れた人脈が必要。外の資源を活用できないマネージャーが組織を率いるのは無理がある。
今思えば、世の中にあるその多様な可能性をしらなかったのだとおもうけれど、この3つの能力の獲得に向けて行う努力は間違っていない。そうおもいます。
ちなみに、その後、追記をしています。
第4の能力は、「アイデア」だ、と。
未来を予測し構想を立てていく力、それをアイデア、と定義しています。ブレスト的ななんでもありありのアイデア、とは少し毛色がちがっています。事業構想力、にちかい能力です。起業家に接していく日々の中から、新たに加える力として、31~32才ごろに、書き加えたものです。