芝浦工大・大宮/豊洲でのアイデアワークショップ授業を終えて
先日、芝浦工業大学の大宮キャンパスで、アイデア発想をテーマとしたワークショップ型の授業を担当しました。その週末には、豊洲キャンパスでも拡張版の講義を実施しました。
今回の授業では、AI時代における人間と技術の関係について、先生がたとの対話がありました。特に印象に残ったのは、「AIでこれまでの作業を楽にする人」と、「AIを活用して今までにない発想や領域へ踏み出す人」という二つの方向性です。
私はAIを、「自転車のように自分でこぐ必要がない原付バイク」のような存在だと感じています。便利な乗り物を手に入れて、もう自分の足で歩かなくなる人もいれば、そのバイクでどこまでも行って経験を広げる人もいる。AIも同じで、どう使うかによって、その人の学びや成長のあり方が大きく変わると思うのです。だからこそ、AI時代の教育には、単なるスキル伝達だけでなく、「姿勢」や「感性」や「人間性」といった人の心の中核にある部分も大切にしていきたいと改めて感じました。
豊洲キャンパスでは、最近自分が提唱し始めた「Human × AIのブレスト(HAIブレスト)」を学生たちと体験しました。従来の「AIでアイデアを出すワーク」は、プロンプト(指示文)の作り方など技術的な話題に偏りがちで、場が固くなりやすい。その“壁”を越えるため、まずは「AIで創造的なワークの美味しいところ」を一口味わってもらうことを重視しました。
拙著『AIを使って考えるための全技術』(通称「AI考える」)の読者向けに用意したプロンプト集のダウンロードファイルも、今回の授業で試してもらいました。学生たちには自分で見つけた「困りごと」をChatGPTに入力してもらい、AIと一緒にアイデア出しに取り組む流れです。結果は想像以上。はじめは戸惑いながらも、「え?」「わぁ!」と、驚きや発見が次々に生まれました。「AIでこんな風にアイデアを広げられるのか」と実感した様子が教室いっぱいに広がりました。
今回の豊洲キャンパスの授業で受け入れてくださったのは長谷川豊先生。ヤマハ時代にボーカロイドのイノベーションを推進された、イノベーションのキーパーソンです。そんな先生のもとで、学生たちが自由に発想し、未来を構想する場に立ち会えたことは、私自身にとっても大きな刺激となりました(ボーカロイド開発のお話を、講義の合間にお伺いするのですが、大変貴重な事例をうかがえ、とても勉強になりました。)
最後にお知らせです。
本授業でも使った新刊『AIを使って考えるための全技術』が、明日(6月11日)発売となります。AIと人が協働してアイデアを生み出す新しい実践方法を、ぜひ手に取ってみていただければ幸いです。
新刊 『AIを使って考えるための全技術』 6/11発売(ダイヤモンド社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478119481