モデル化の基本
社会現象や物理現象を観察すると、何かそこには一定のルールがあるように感じられることがあります。その本質的なものを「モデル」にしてみよう、と考えることがあります。その「モデル化の流れ」とは、シンプルに突き詰めるとなんでしょうか。
経営学や物理学を研究してきたなかでモデル化には共通するものが結構多いと思いました。モデル化する対象が、人間社会の動き方か、物体の運動を観察することか、の違いはありますが。
モデル化の基本は次の二点。
・要素の抽出
・構造の発見(要素同士の関係性、動き方)

このモデル化という作業は、何も、社会科学(経営学、組織科学など)や自然科学(物理学、工学)などに限りません。仕事においても優れた仕事をするビジネスパーソンには重要な能力。
1.仕事における「要素」となるものに気がつくこと。
2.要素同士はどう関係しているのか(「関係性」)を理解すること。
なお、蛇足ながら、なぜ「モデル化」を行うか、といえば、その場を記述する本質的な要素と構造を推測できたならば、将来に起こることが、予測できるからです。過去に起こったことを納得するため、という側面も多少ありますが、本質的には、仕事をよりよく行うために、次の行動を設計するために、モデル化があります。
追記:
優れた物理学者の先生が昔言いました。「モデル化とは、おもちゃを創る事だ。よく分からない現象が出てきた。それを、こうかな、とおもって、シンプルな要素を抜き出してお互いの動き方を設定してやる。これはいわば、思考のためのオモチャをつくった、ということ。そのおもちゃをああして、こうしてと弄繰り回して遊ぶことで、新しい理解が得られる。」と。
それ以来、私は未知の現象が「不思議だな」とおもったら、「思考のおもちゃ」を思考空間上で創ります。それはなかなか面白い作業です。