具体的な例を3つ見せてもらう(その2)
具体的な例を3つ見せてもらう、ということに関連して、もう一つ、私論を述べます。
電光石火の試作、という言葉があります。トム・ピーターズの本の中に出てきます。
事前調査をしてから新しいエリアに入ろうとしても、なにも外からは分からない、そういう時はどうするか。(あるいは、調べれば分かるけれど、莫大な調査費が必要などきはどうするか。)
その時には「すぐに試す!」こと、そして試して駄目だったら「即、やめて、別の手を即座に試す」こと、そしてそれも駄目なら・・・と、矢継ぎ早にワワワっとためし手を試してしまう。悩んで調べ方を思案しているよりも直ぐにがんがん試す。
電光石火の試作、というのは大企業が「やってみればすぐにわかるタイプのことや、調べるのにコストがかかりすぎることも事前調査を重視する」ことへの警鐘だと思います。
さて、では、電光石火の試作、という戦略をどこまで続けるのか、についてが実務では必要になってきます。というのも、有る程度ノウハウがついてきたら、即テストを繰り返すばかりではなく、戦略的に打ち手が判断できてきます。それをすぎて矢継ぎ早のテストをするのは「場当たり的行動」「計画性の無い行動」と一緒になってしまいます。
では、どこまで電光石火の試作をやるのか。これについては、私はこう思います、という話なのですが、私は「電光石火の試作は3手うて」と考えています。暗闇に飛び込んで手探りで様子をうかがうときに、3点が分かれば、およそ踏み出すための判断力がうっすらついてくる。逆に10点も調べていては、暗いところに入るたびに遅れをとったり機を逸してしまう。1点では足を踏み出し始めるために見当をつけるには心もとない。3点、これが電光石火の試作の試しての最適回数、ではないかと。
標語的にまとめるとこうです。
新規分野に飛び込んだら、非常に短い時間で、試し手を3度打て。
その中から判断基準やおよその様子を想定せよ。
後は進みながら微調整を繰り返して戦略の巧緻化を常にせよ。