「つながり新聞」が最も人気。それに何を学ぶべきか。
先日の「新聞社の新事業アイデアを出す」という企画では、4つのアイデアのうち「つながり新聞」が最も人気でした。
(アイデアの概要)
一週間の新聞を編集して土曜日に届ける、というもの。記事のつながりが見えるように、一つのトピックが一つの紙面につながって持っている、というものです。値段は安くしないで、編集で読みごたえのある紙面にする。記事の盛り上がり、沈静化がみえるし、保存資料としての価値も上がりそう。というアイデア。
詳細 http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0806/30/news045.html
他の3つのアイデアにくらべて、これが支持された、というのは何らかの示唆を与えてくれています。これに何を学ぶべきでしょうかね。ちょっと考えてみたいと思います。
■学び
新聞読者は、必ずしも、最新のことだけを知ることだけに価値を感じているわけじゃない、ということかもしれません。ネットが普及した今、新聞は早い情報だけが読み手に求められているわけじゃない。では何か。さて、何でしょうね・・・。
たぶん、新聞に求めることは「しっかりした話が知りたい」という気持ちが大きい気がします。ネットのニュースは早い反面、流動的。どこか実体のない気がします(そうじゃないニュースサイトもありますが)。しかし、新聞紙面は、100年後にも今日も記事が残るわけで、確定しつづける情報媒体。そのいみでは、新聞からはしっかりしたことを教えてほしい。そういう市民の意思があるのかもしれませんね。
■派生アイデア
また、情報は最新じゃなくても有効、という切り口でいえば、何らかのコンテンツ再編集で読み手の読みたいを喚起することはできるのかもしれません。たとえば、アメリカの景気が後退する局面にあります。いずれ日本にも実感を伴って同じものが来るでしょう(いまでも、新卒採用に対する下降ムードが出始めています)
この今の日本と同じ経済トレンドだった時期が20~30年前の日本にあったはずです。景気循環トレンドがありますから。
その当時の主な社会動向を編集して再掲載してくれると一定のコンテンツ価値がありそうです。それを読むと、私たちの少し先に何が起こるかを予想する材料になるでしょう。
たとえば、オイルが上がると次に何が起こるのか。その騒動の中で本質ではなかった騒ぎと、絶対に不可避だった現象があります。当時の記事をサマリアップして掲載してくれることで、読者はそういうことへの洞察を深めます。
このアイデアに名前を付けるとする、そうですね・・・。
「史実新聞」でしょうか。あるいは「20年新聞」かな。
新聞のうち1ページが”20年前の今日”という新聞、ちょっと読んでみたい気がします。当時の広告も今となっては斬新かもしれませんね。