ブレスターの簡単な説明方法
ブレスターの説明を何度もしていて、ユーザの方が苦労する点がわかってきました。最近は以下のような手順で、手短に体験してもらってから、ゲームに入ってもらっています。もしユーザの方でなかなかメンバーに伝えられない、という方がいらしたらぜひ試してみてください。
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1.役カード
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自分が赤を、そして時計回りに、黄色、青、緑、と役を指定して、役カードを配ります。
そしてそこからカード2枚だけ、机の上においてもらいます。ただし「全員モード」以外のカードにします。
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2.TOIカード
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二枚ずつ、配ります。
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3.テーマ
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10番「歯ブラシ」のテーマを選びます。テーマを読みあげます。
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4.基本行動を以下のように説明します。
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「順番が時計回りに回ります。今回のテストでは私から。自分の番では手元のカードを使って発言します。発言が30秒以内にできれば、そのカードを場に捨てられます。できないと、山からTOIカードを1枚ひくことになります。本番のゲームでは、15分後の手持ちカードの多い人が負けで、ほんのり恥ずかしい罰ゲームがありますので、できるだけ、こじつけてでもいいのでカードの内容にしたがって発言してください。」
「TOIカードは、発想トリガーのカードです。そのフレーズを読みあげて、自問し、自答してください。そしてそれからアイデアを思いついたら、発言します」
「役カードは、あるスタイルでアイデアをいう、という指示があります」
「黄色は、トッピなことばかりをいう役です。大変ですが、多様性の担保を担う、重要な役です」
「青は、便乗です。大抵のカードは直前の人が言ったアイデアをもじってアイデアをいう役です。カードの指示が一枚一枚、微妙に違います」
「緑は、アイデアをたくさん出します。あたりまえすぎる、できそうにない、というアイデアでも結構です。どんどん出してください。前にでたアイデアと本の少しでも違えば、それは新しいアイデアです。こじつけてでも、量を出すことに邁進します」
「赤は、役が少し違います。誰かのアイデアを褒める、という役を担っています。フレーズにのっとってうまく褒める。それができればカードを捨てられます」
「なお、赤には特別ルールがあります。誰かがアイデアの批判をしたら、”今は批判禁止ですよ”と赤の人はいいます。それだけで、TOIカードを一枚捨てられます。赤の人を有利にしないために、できるだけ批判はしないで、雑談しながら進めます」
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5.雑談のススメ
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「自分の番ではないときも、どんどん合いの手を入れて、アイデアも発言してください。自分の番でないのでカードは減らせませんが、発言し続けておくと、自分の番でアイデアを出しやすくなります。『それいいね』とか『それなら便乗してこういうアイデアはどうだろう』という感じで、コミュニケーションゲームだと思って、どんどん会話してください。ただし、批判は禁止です。赤の人がどんどん有利になってしまいますから」
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6.一順目
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「最初は、私から。一順目は、TOIカードだけ使いましょう」
「歯ブラシを50%長持ちさせるにはどうすればいいか。」
といって、手もとのTOIカードの2枚のうちから好きな方を選んで(例えば)「長さを変えられないか」を読みあげつつ場に出して、
「長く、か…。じゃあ、歯ブラシのブラシの生えている長さを10センチくらいにしよう。で、だめになったら、そこを、カッターの刃のように追って、まだ使えるところで磨こう」
といった感じで発言します。
時計回りに順に発言します。
そして、発言をしていない人が、30秒を毎回測っておいて、時間切れの人には伝えます。TOIカードを一枚山からとってもらいます。
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7.二順目
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「二順目は、役カードだけ、使います」
「なお、どんどん合いの手を入れてください。自分の番でなくても、ムードが上がるほうが、アイデアが自分の番でも、出やすくなりますから」と、一言、先ほどの話を繰り返し、進みます。
「では、私から。赤のカードの、、、じゃあ、こっちを使います。”それいいね、だって○○だから”かぁ、じゃあ、さっきの黄色の方の行ったアイデアいいですね、だって、それだと、若い女性に結構受けそうですからね」
といった具合に、赤はしゃべります。
黄色、青、緑、と、それぞれに番が回って、役のとおりの発言してもらいます。その時も、だれかが30秒を測ってください。
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以上で、ブレスターの基本動作は、終わりです。
ここから先は、クイックルールの通り進めてください(もう、多くの部分は、さらっと見るだけでよくなっています)。
あるいは、あまり時間がなければ、新たに、役・4枚、TOI・4枚を加えて、手元のカードを5枚、5枚にして、そのままゲームを続けても結構です。先ほど場に捨てたカードは捨てたままで結構です。
なお、最後にヒントとしては、できれば、ゲームプレイヤー以外に1人、いたほうがより楽しくできます。彼には、ホワイトボードにアイデアを書き留めてもらいつつ、30秒を測ってもらいます。アイデアが視覚的に残ったほうが、アイデアはすいすいでます。また、時計係はプレイヤーがかねると結構大変です。いつかゲームに参加してほしい人に、この作業をお願いすることで、ゲームの基本も理解してもらえます。
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注:15分(1セット終了)後、罰ゲームを楽しんでください
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ゲームの1セットは15分です。もし時間がなければ、15分の終わった時点で、ゲームを終わっても結構ですが、ゲームの勝ち負けを楽しむために、ぜひ罰ゲームもやってみてください。「テーマリスト」というシートの裏に数十の罰ゲームが書いてあります。どれも、私たち開発チームが非常に検討時間を重ねて作ったものです。ハラスメントになるような要素は一切抜いてあります。また差別につながるような概念や動作も抜いてあります。”ほんのり恥ずかしい”あるいは”無理やりにでも頭を使わせられる”作業が仕込まれています。勝った人(一番カードの少なくできた人)が、負けた人のやる罰ゲームを選んで指示してください。
ちなみに、開発チームのリーダとして石井が一番好きなのは「昔話の桃太郎を、濁点を除いてしゃべってください」という罰ゲームです。即興で濁点をのぞく処理をしながら、思い出しつつしゃべる、というのは、非常に頭が回り始めます。それとは裏腹に、かなりたどたどしい日本語を大人がしゃべる姿は、”くすり”と笑ってしまうコミカルさがあります。
ブレスターが、皆さんのチームの創造的な会話を刺激するツールになることを、心から願っております。わからないことがあればいつでもブレスターのマニュアルの末に記したアドレスまで、ご相談ください。