カヤックですごす2日目
朝、鎌倉に向かう路線はとたんにのんびりします。
あまり朝の電車では見かけないような属性の方々がまばらにすわっている電車内は、ああ、観光名所にきたな。というムードがすでに電車内からしていて、おりたつ鎌倉駅は、なんというか、空気があります。東京の刺激フルな空気と違った「センス?天候?文化?」なんでしょう。なにか、鎌倉におりると、なにかからりとした明るい空気のようなものがあるのを感じます。
さて、カヤックの2日目。
すっかり、自分の会社のような気分です。私は昔から自分の会社じゃない会社で仕事をする機会が多かった(商社時代も、行政系組織時代も)ので、なれるのが早いのかもしれませんが、それ以上に、カヤックの「居心地の良さ」が特筆すべきことかと。
以前、閃光会議室を見学に来た時には、来客としての数時間をすごすだけなので、会社の中のムードを知るには、充分ではなかったのですが、朝から晩まで、組織の中に同じ席に座って仕事をさせてもらうことで、それを肌で知ることができました。
カヤックの中は「とげとげした音」がない、お母さんのおなかの中にいるような、安心できる大きな空間の中にいる感じがします。(宮城にある感覚ミュージアムに、そういう心臓をもしたアート空間があります。音がすべて反響して、ぼわんぼわん、という柔らかい音に代わり、中にいる人が眠り込んでしまうような、やさしい音で場が満たされている不思議なところがありますが、それとちょうど似た感覚をうけました)
理由がありそうです。
これは、自粛をしながらかくので正確にはちがうのですが、書きますと、
まず、大きな部屋が複雑な壁面形状をしており、そのために、声や音がピキッとした反射をしないで、複雑な反響をしている。と思われます。この設計はたぶん、音の広がりを意図的にデザインしたのではないかとおもい、すごいなぁとおもいます。
次に、社員の皆さんが立てる音、声が、とげとげしていない、ということがあります。私はせっかちでカバンの中のビニールをがさがさとあけるのですが、良く考えるとそういううるさい「とがった音」と立てている人がいません。かといって、静かにしていないといけないわけでもなく、ユレックスのかちちちという音もしますし、電話の声もします。
仕事の依頼をしたりされたりする声が、安心できる関係をベースに、意図をストレスなく伝えあっているようにみえました。これはもうすこしその要因を考えたいのですが、社内にある種の内発的動機づけにもとづく組織文化が形成されており、束縛的にそうやらされているのではなく、組織命題にそった方向に、自らの意思で志向性をもつことが背景にありそうです。
抽象的に表現しようとしたので、分かりにくくなりましたが、そんなことを感じました。