ブレインストーミングをより効果的にするなら、その中だけじゃなく。
大学院での私の研究命題、ブレインストーミングをより効果的にするには、です。
教授と良くディスカッションしていたのは、ブレストの周囲をかこんでいるものに光を当てるべきか、ブレストという現象の中だけに、ミクロ組織論的に光を当てるべきか、でした。
今回、カヤックさんの創造する組織を見学して、その時に、強く感じたのは、次のことです。(一般にブレストの場だけをデザインしても、限界があり、)高いレベルのブレストができるようになるには、組織の持っているブレスト以外の場での人と人の関係性自体に、本質的に創造的な要素を壊さずに受け渡せるものが必要だと感じました。
ブレストをもっとうまくやりたい、という組織においてブレストがもっともっとうまくいくようにするには、ブレイス自体をうまくデザインすることも有効ですが、それをさらに超えるには、ブレストの周囲にあるものへと、デザインの目と手を拡げる必要がある、ようです。
何気ないことの積み重ねで「これだ!」という分かりやすい創造支援装置があったわけではない中で、気が付いたことは実は非常に深い示唆があったと思っています。
普段、雑誌で見る「クリエイティブ・オフィス」は、什器のすばらしさ、オフィスインテリアのデザイン性を、前面に押し出したものですが、本当はそこは、副次的なものかもしれません(雑誌は売れるために、わかりやすくビジュアルであるものを拾いたがるもので、それはそれでビジネスですから、分かります。読み手にはどこが本質で、どこが副次的なのかを見定める力が要るんだろうとおもいます)。
そんなわけで、今回の「面白法人カヤック」さんへの短期留学は非常に実り多いものとなりました。
私は、大学院・博士課程は卒業できるか否かは、あまり重視していません。でも、得た知見は、広く社会に還元したいなぁとちいう、プロの個人としての使命感は持っています。なんとか、多くの方にしってもらえるように、博士論文などに盛り込んでみたいと思います。