発想事例の作り方
今、講義スライドを作っています。
アイデア創出の技術、というテーマなのですが、発想の方法だけじゃなく、それを用いて実際に発想してみた(というプロセスと出てきたアイデア)というスライドを作成しています。
発想事例。
これは目にするととてもすんなり「ふーん」という感じに感じられるぐらいの平易さで表現するのですが、それに至るまで、思考と作業のステップがいくつかあります。
こんなふうになっています。
1)発想の手法を選定する
想定する参加者(聞き手)にあわせて、最適な発想方法を、選びます。参加者さんが日々の仕事でそれをつかえているシーンがうまくイメージできるものを。
2)発想法で、実際にまず、発想する
他の人には分かりにくい「アイデアの断片」「初期的なアイデア」を出していきます。ステップにのっとって、その思考過程を書きとめていきます。
3)表現を整える
初期的なアイデアは、生のまま人に見せても、理解してもらいにくいものです。また、どうしてそのアイデアにたどりついたのか、跳躍した部分が大きいと、聞き手は思考の森で迷子になりあとでたどり直せません。表現を整え、プロセスをつなげていきます。
4)減らす、簡単にする
論理飛躍の怒らない程度に「無くても成り立つもの」を削り込みます。せっかく書いたのに・・・と思う気持ちがここで生まれますが、削るほどよく伝わるのだ、と言い聞かせて、削ります。(余談ですが、ネット上のメディアでの私の記事の場合、2000文字の原稿を書くのに、6000文字ぐらい書いて、そこから削ります)。
難しい表現や高度な概念的なものは、極力、具体的で誰もが知っている物事に直します。
そうすると、平易な「ふーん、まあ、それぐらいなら、別にやれば、できるかな」というスライドになります。
この時に「凄い発想であると思われたい」なんて気持ちがあると、とたんにスライドは分かりにくくなります。滅私の先に、優れた講義や知的手法の提供事業がある、のだと思います。
以上、発想事例(のスライド)の作り方でした。