好きなことを仕事のするのは難しい、しかし、それには続きがある
昨日、優れた経営者の方とお話をしている時に「好きなことを仕事にするのは難しいと言われますが、どう思われますか?」と聞かれました。そのことをふと朝も考えていたのですが、今こう思っています。
「好きなことを仕事にするのは難しい」というフレーズはあまりに有名で、チャレンジャーや若者の未成熟な選択肢を再検討させる強い効果があります。(ただ、効果が強すぎる薬のようにみえます)。
このフレーズ、正しくは後ろ側に次の言葉が付くべきだと、私は思います。
「 好きなことを仕事にするのは難しい。
しかし、心をこめて、やり抜くことができる仕事は
そこにしかない 」
と。
別に心をこめなくても給与はもらえますし、やり抜くつもりのない仕事に従事することだって、決して否定されることではないと思います。ただ、しかし、その人が「心をこめて、生涯の仕事と本気で思って情熱を注げる仕事」を望むのであれば、苦しい道を行くのも苦ではない。と私は思います。好きなことを仕事にしたら、結構苦しくてだめだった、ということも事実としてあるとは思います。芸術系の仕事とかアーティスト系の仕事は、経済価値とのリンクが曖昧なので、ご飯を食べにくい。それも事実です。なので100%とはいいませんが、しかし、好きなことに1000日(3年)迷いなく情熱を注いで仕事をすれば、必ず細いけれども道は拓ける、と私は信じています。その細い糸の先には、その人にしかみることのできない景色が待っている、必ず。そう思います。多くの志しある経営者の方やある種のプロデューサーと呼ばれるような役割を担ってきた人々を見ると、そう思うのです。
好きなことを仕事にするのは、難しい。
しかし、心をこめて、生涯の仕事として本気で打ち込む仕事を
して、日々を生きていきたいならば、本人には苦ではない。
若者に、「君はどうかな?本当に生涯の仕事とするしごとかな?」
「迷うようなら、やり抜くことは、難しいかもしれませんよ」
と問いかける先人たちの知性が
「好きなことを仕事にするのは、難しい」
の言葉の本来の姿ではないか、と思うのでした。