高速走行中に考え事をすると、素直な思考パターンが顕在化する。
他の目的を遂行しながら、発案したり、企画を立てたり、観察対象の洞察を行うと、思いのほかいいものが出たり自分の率直な考えが表面化することがあるようです。
この週末は所用があり、「仙台~会津(往復)」それから「仙台~新潟(往復)」の合計900kmを運転しました。パートナー企業の方と、事業の強みの抽出や新事業構想をしたり、一人きりで何百キロも運転したときには、スケッチブックとペンをハンドルの上において、アイデアや着想をメモしながらすごしました。

一人で運転しながら考え事をしたり、メモを書いたりするのが危ないかな、と思ったのですが、結論としては非常に「運転」も「考え事」も快適に行えました。走ったのがほとんど高速道路なので、脳の活動を思考に割くことができ、メモ書きは一瞬視線を落とすだけで、後は手元を見ないでささっと書き付けます。スケッチブックくらいの大きさと固さがあると、十分にハンドルの上でメモが書けるものです。
とはいえ、合流やトンネルなどもあるので時折思考を中断したり、深く集中することはありません。どうもこの辺の感覚がいいようです。適度に作業することがあり、適度に外部からのディスターブがない、という環境が。またメモを書いておくと「あれ、その前は何考えていたっけ?」というのがなく、網羅的に思考することが出来ます。さらに、パーキングエリアで休憩するときに、メモ書きに補足や展開を書き込むことで充実して体を休めることが出来ます。
あまり脳のパワーを使わずに長時間出来る作業、という部分にミソがあるような気がします。のめりこみすぎない意識状態ならではの思考促進環境というものがあるような。これと似た感覚のものに、お風呂に入っているときにふと企画を思いついたりする、ということがあります。あるいは散歩をしているときなど。
もう一歩それを考えてみると、電車で旅行するときに思考が進むことがあります。でも深く集中できる車両などだと、こういう「ながら思考」とは違っているような気がします。あるいは図書館で机に向かっているときなども、深く集中していて、すこし上記とは違うようです。どちらが良い悪い、ではなく、ある種の異なった思考機能が働く、ような感じです。この「ながら思考」には、より直感とか自分の素直な本音とか、ぱっと思いついたことを、理性で加工することなくシンプルに表面化する作用がある、そんな気がします。