新しいアイデアワークショップを試させてもらいました。
東北大マスピー、私には思い出深い場所(団体)です。
私が今のようなアイデアワークの専門家としての展開をする一番最初のアイデアワークショップは、彼ら東北大マスピーが受講してくれました。
試行錯誤でつくったアイデアワークショップでしたが、4年前、彼らが楽しんで受けてくれて、そこで大きな示唆を得て、アイデアワークショップの活動を成長させていくことができました。
あれから4年。学生団体なので、当時のメンバーがぎりぎり、のこっているかどうか、とういう歳月です。
私にとって、新しいタイプのアイデアワークショップを展開したいとおもって、彼らに再び、受講してほしい、とおねがいして、やらせてもらいました。
そんな前置きはここまでにして、いつものように、活動報告を書きたいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4月21日。仙台の広瀬通にある、せんだいみやぎNPOサポートセンター(通称、さぽせん)で、東北大学の学生・院生による企画サークル「マスピー」さん向けの、新作のアイデアワークショップを行ってきました。
集まってくれたのは、東北大生が12名、宮城大生が1名、合計13名です。
今回は、新しいタイプのテストということで、いろいろ用意していきましたが、4種類を実施したところで、4時間の貸し会議室がタイムアップとなりました。
それを報告します。
1:発想の特性、3つの絵
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まず、「発想の特性を体感してもらうワーク」これは、全国のどこへ行ってもやっている定番のミニワーク。
2:アイデアとは?アイデアの招待
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アイデアの招待を、いくつかの分野の定義や分析から、解説したもので、ワークというよりは、「アイデアの基本構造を知る。それだけでも、ずいぶんアイデア出しはうまくなります」という心理様式の醸成。
3:ノート1つでアイデアを100以上出す方法
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これは「エクスカーション」を一緒に実践していきました。頭の中にある知識・情報を効果的に確実に一定量、引き出すコツが、この手法のメイン要素。その要素と発想のテーマを、掛け算して、それが意味を持つとしたら、なんだろうか、と考える。ここがアイデア生成のもっとも知的能力の使われるところです。
【休憩】
4:「2メートルの壁」で楽に発想する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これは、時間が無いので、スキップしました。彼ら・彼女らは、割とそれができていた、というのも、ありまして。
5:Speedstorming、新しい付箋のアイデアを考案しよう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前日に、TRUNKで一足先に実施した「Speedstorming」をしました。13人だったので、私も入れてもらって、4ラウンドほど。実際にはいって体験できたのは大きな価値がありました。なるほど、こうなるのか、と。
※そして、発想テーマは、先月号の日経アソシエにあった「特殊なデザインを付与したオリジナルポストイット」を題材にして、受験勉強を効果的にする構造を持ったポストイットを考案しよう、というもの。あるいは、大学生活全般を対象に、なにかを便利にするポストイットのアイデアをだす、というテーマに。これは、これで、一つの面白い結果がでました。結果を精査して、後日アップします。(もしかしたら、東北大マスピー×IDEAPLANT×**社の、連携開発商品として、テスト販売までするかも。わかりませんが。)
なお、このSpeedstorming、昨日は、アイデアの書き出しを5分+3分として、アイデアスケッチを3枚描いてもらいましたが、今回は、ブレインライティングシートをつかって、1分ぐらいでシートを回しながら、かきだしてもらう、という特殊なやり方をしました。成果がカードになるからです。ただ、前日同様、このパートは、5~8分ぐらい、じっくり、一人でアウトプットする(アイデアの十分な検討、高度化ができる)時間を提供するべきだったかとおもいました。SS(スピードストーミング)の後、さらにあわただしいBWをするよりは、それまでに得たひらめきのかけらを、じっくり、構成するような時間がよかっただろうと、参与観察して、思い至りました。
この後、ハイライト法をして、星の多いものを抽出、トップのアイデアをレビューしました。
もし、アイデアスケッチのスタイルであれば、トーナメント方式をとっても良かったかと思いました。
【ここで休憩】
6:3カード法、と、ヒット商品から示唆を得て発想するワーク
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
時間が無かったので、2つの手法を混ぜて使いました。本当はそれぞれにためしたかったのですが。
まず、3カード法。これは資料なしに、即興で、テストしたのですが、ランダムに引いた3枚のカードをみて、そこに書かれた要素3つをくみあわせて、それが意味を持つとしたらどんなものであるだろうか、と考えるワークです。若い頃の孫さんがしていた発想法を、実際にやってみたのでした。これについては、連関度の低い3要素を組み合わせて意味を持たせる、ということで、かなり苦しい組み合わせがあったりしたようです。それでもほとんどの学生さんができていました。ただ、楽ではなかったとのコメント。これは、ワークショップでするにしても、ペアで話し合わせるような形で、やるほうがいいと思いました。また、引いたカード組み合わせがうまくいかないときは、どんどんすてて引きなおしていい、ぐらいにしたほうが、調子が上がるように見えました。
それから、「ヒット商品を分解して、示唆を得る」ワークは、この前段にやったのですが、
1)ヒット商品を一つ書き出す。
2)6観点リスト、にそって、その商品の特徴的な要素を書き出す。
3)書き出したことを、カードに転記。最低でも6カードつくる。
4)テーブル(4人いる)でそれをあつめて、シャッフルして、再配布する。
こういうことをしました。なので、各テーブルとも、仲間の書き出したヒット商品要素を、ランダムに与えられて、3カード法で、有意味組み合わせ化をしていたのでした。おもしろいエッジのたった言葉はひきだしやすいようでした。一方で、カードの言葉が具体的なもの過ぎると、組み合わせて有意味化するのが難しいようでした。5分ほど、やりました。
そして、この後は、評価です。自分の出したアイデアを3つほど、選んでもらい、30秒プレゼン。テーブル内で。そして最後に指をさして、せーので代表者をきめて、テーブル代表がプレゼン。さらに全体で、せーので指を刺して、一名を決めました。
この時点でタイムアップ。
本当は
7:小説のプロット(お話の構造)を考え出す49のカード
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
というのをつかって、ライトノベルのようなプロットを、実際に考えてみるというワークをしたかったのですが、タイプアップ。
時間をすぎてしまった会議室を、ばたばたと退出。さぽせんに、ご迷惑をおかけしてしまいました。すみません。(これは100%石井の責任でした)。
そんな感じの4時間でした。
私にとっては、とても意義深い、そして、うまくいかないかもしれないワーク組み合わせを、踏み込んで試せた貴重な機会でした。
東北大マスピーのみなさんの協力に心から感謝します。
有難うございました。
今は、急ぎでメモをしてしまったのですが、写真と動画をつかって改めて、レポートをあげたいとおもいます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マスピーのサイトにも、実施報告があがっていましたね。
こちら