発想トリガーボードの分析メモ
はちのすボードA1(のA3コピー)を先日ワークショップで使った際のデータを分析しています。2度のワークショップで合計19名ですが、それぞれに項目が58ずつあり、意外と集計にてこずっていました。が、先ほど終わりました。
特に二度目の方(TRUNKにて)は、アンケートも同時にとっているので定量と定性、の両方からみつめて、興味深い分析ができそうです。
二度目の方の分析メモ(をさっと書き留めます)
・モノ、に特化して発想している人がいる一方で、プロセスとか意味価値について重点的に発想している人もいる。わりと人ごとに傾向がある模様。ある種のカテゴリーに対しては良く出るし他のカテゴリーについてはあまり出ない。業種や発想パターンの違いかと。
・モノばかり、プロセスや意味価値ばかり、の人では、仮にブレストの際に同じテーブルについていても、発想を引き出す観点がオーバーラップしていないので、話が重層的にはなりにくいであろう(と具体内容を見ながら感じた。しかし逆に相乗効果がある可能性も否定はできない。)
・発想トリガーに対して、発想した内容がかかれているので、その言葉が断片的であっても、この書き込みが何を意図したものであるのかを用意に推測できた。アイデアは、発想その内容に加えて、何を手がかりに(あるいはどういう視点で)発想したかを把握することで、(文脈的なものをとれるので)他者着想の理解・共感可能性があがる可能性を感じた。
・発想ボードの後、時間があまり、10分程度、各テーブルで1名のテーマを題材にして、各テーブルでブレインストーミングを行った。偶然、その人たち(2名)のアイデアは、比較的少なく、書面上はさほど発想が広がる余地が無さそうに見えたが、どちらも非常に広がるものがあった。メンバーが同じ発想トリガーで観点をふらせるワークをしているため、どの人も、多様な観点から発想を考えるトレーニングがなされており、ディスカッションは多面的な切り口でブレストを行えていた。
・6観点のうち、項目あたりの発想数が多いのは、以下(多い順)
人・・・3.3(個/項目)
意味価値・・・2.1(個/項目)
五感で感じるもの・・・2.0(個/項目)
モノ・・・1.7(個/項目)
プロセス・・・1.0(個/項目)
環境・・・0.7(個/項目)
及び空白セル・・・2.6(個/セル)
・最も発想が多かった項目(5人)
誰かと一緒にやる
他の人たちと一緒にやる
何かと組み合わせる
・次に発想が多かった項目(4人)
何かの目的と一緒にやる
できるだけ価値を高くする
・その次に発想が多かった項目(3人)
何かの動作と一緒にやる
使いみちを変える
似たものにヒントを得る
できるだけ強くする
・46項目中、一人も利用しなかった項目
11項目
人1(/3)
モノ1(/13)
プロセス6(/13)
環境3(/3)
意味価値1(/9)
五感0(/5)
合計11(/46) ~24%
==考察==
発想ボードのフレーズは、76%が利用されている。10分という時間で11.9個(空白セルをのぞくと8.4個)発想されている。非常に早い産量である。
空白セルもまた、利用されていて、一人あたり3.5個を利用している。(なお、時間が3分と短かった第一ケースにくらべて、この空白セルの利用は大幅に増えているとみなせる)
発想トリガーで発想を一度行っていると、ブレストを行う際に、このアイデアはこうで、あのアイデアああで、という説明を本人ができる。これは発想トリガーをボードにしたことが大きい模様。(従来カードの場合、発想と発想トリガーの関係は希薄になりあとでアイデアを本人がどうやって出したかをレビューできないことがおおい。)着想を引き起こす道具としてだけではなく、アイデアの考え方を創造的なテーマを通じて聞きだし、理解するツールにもなりえる。
(先ずはここまで。)