プロデューサ育成塾 アイデアワークショップ
12月5日。
東北大や東経連などによる人材育成プログラム「農商工連携プロデューサー養成塾」にて、アイデアワークショップを実施しました。
これは半年を通じて行っている事業で、私は前半と後半の二度、講義(といいますかワークショップ)を担当しています。ほかの先生方は、経営学の恩師の先生方です。そうした先生方と肩を並べて講師陣に入れていただいていること、本当に恐縮なのですが、それはそれとして、登壇するからにはベストのものを自信を持って提供しようとしています。
前半はこちら
農商工連携の人材育成事業で講師を
http://ishiirikie.jpn.org/article/40582272.html
今回は、5人、6人、6人のグループでアイデア創出の本格的なワークをがっちり行いました。
今回は、各自のもつ新事業/新商品アイデアを深めて、具体的にするワークです。
初めは、スピードストーミング。他花受粉、ということで、グループを崩して、全体で混ざりペア・ブレスト×5回をしました。
写真の都合で一列に並んでいるようにえますが、大きな二重の円になっています。5分ごとに外側の人が時計回りにひとつずれます。
ペアでブレストをする時に、自分のアイデアを話し、さらにお互いの連携でできるかもしれないことなどをアイデア出しします。多くの刺激とアイデアの示唆をもらうワークとして機能しています。
次は、発想トリガーボード(製品版は、A1サイズのホワイトボード紙 「はちのすボードA1」)を使って、自分の中のアイデアをさらに深めるワークをしました。
先日の学会発表で行ったのとほぼ同じような感じで、はちのすボードを使って一人ブレストをしています。 → ( はちのすボード A1 、アマゾンにあります)
次は、アイデアを企画にするワークです。「6W3Hシート」を用いて、各自で自分のアイデアをプランの初期段階まで引き上げます。
5分で書きあげ、グループ内で一人1分ずつ、それをプレゼンしていきます。
そのあとはシートを回して、プランの要素の各枠の中に、アイデアを拡げるコメントを書き込んでいきます。これによって、自分一人で考えたプランにほかの人からのアドバイスで幅が出てきます。
そして一周したら、各要素の中にある複数のアイデアやコメントを選択して、全体の要素が整合性を持つように選びます。整合性があるように新しく要素を書き加えるのもOKです。ほかの人のコメントでプランとしての整合性が高いものをここから引き上げるようにします。
そして、最後に、また1分ずつのプレゼン。皆さんのブラッシュアップで修正したところやポイントとなる部分をさっとプレゼンしていきます。
私のアイデア創出のワークのパートとしてはここで終わりでいいのですが、次の企画書の作成と評価の授業のために、次のことをしました。
まず、グループの代表プランを選びました。ここは単純に、セーノで指をさして最も多かった人のものをグループの代表にしました。
次に、IDEAVoteでグループで共有するアイデア評価軸を選び出しました。
自分が重視したい価値軸を、左へ2センチ押し出していきます。全員が話しながらこの作業をすることで、お互いの価値軸や評価の視点がわかっていき、最終的に4つを選び出す時に、単純に押されたトップ4を選ぶこともできますが、同着3位が3つあるなどの時には、評価軸としてどれが重視したいのかをディスカッションしながら選び出します。この作業が非常に重要でそれをするために、IDEAVoteはある、といっても過言ではありません。
こうして各グループのアイデア評価軸4つが明らかになったところで私のワークは終わりました。
最後に、補足としてアイデアのその他の技法を一気に紹介しました。
もう一つは、発想トリガー法、アイデアだしに役立つカードを二枚組でプレゼントしました。
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これでアイデアプラントが担当するワークショップは終わりです。
この後の先生のワークがまた、興味深かったので、もう少し続けます。
この後は、もう一人のM先生が、各グループの企画原案を、事業企画書にあげていく作業をしました。
そして、3つのグループがそれぞれ、仕上げた企画書をもとに、「商品プレゼンをする」「提案を受ける」立場に交互になって、プレゼンの模擬ワークをしました。その時に、先に選んだIDEAVoteの4軸がそのまま「プレゼンの時の担当」という役割になりました。一方で提案を受けるグループは、評価決裁者としての担当する価値軸になりました。ちなみに人数が5人~6人なので、社長・副社長という統合的な役割もここでは付与されています。
この役割を明確に付与した、プレゼンと評価ワークは、とても興味深いものでした。
自分たちの企画した商品をプレゼン。
プレゼン(提案)を受けるグループは、それぞれの担当軸に当たる要素にフォーカスしてプレゼンを聞いています。
すると、自分の担当する要素が提案されないと、的確な質問がなされたり、すでにきちんと説明されているとそれについての熟慮されたコメントがなされていました。
これは、漫然とグループ間で提案・評価をするケースに比べて非常に、くっきりとしたやり取りで、有効性が高いものだと思いました。
この部分は、担当されたM先生の構成力とワークを導く技量によるところであると思います。IDEVoteはその一助になっているようで大変うれしく思っています。
この事業、「農商工連携のプロデューサー人材を育成する」プログラムなのですが、たぶん、他分野の高度人材育成においても適用ができるワークショップの基本形ができたように思います。
参加いただいた受講生の皆様、事務局の皆様、講師のMさん、どうもありがとうございました。
この事業の中から、未来の可能性をもっと高める方がどんどん出てきて、街や社会がもっと明るいものになることを心から願っております。
アイデアワークでお困りのことがあればいつでも気軽にご相談ください。