相手を救い上げるには、一緒に穴に落ちないこと。
アイデア出しの技法、のうち精神状態のマネジメントに近い部分のお話ですが、シネクティクスの考え方の中に「情報過多(too much information)」という言葉があります。アイデアを出すチームは、アイデアに煮詰まってこまってやってきたクライアントから、必要最低限の情報だけを端的に説明してもらったら、それ以上に情報をクライアントからもらわないようにします。クライアントは穴の中に落ちている人であり、アイデアチームは穴の外にいます。クライアントを穴の外に引き上げるのが仕事なのですが、あまりに多くの情報を得ていくとしまいにはクライアントと一緒になって「それは難しい問題ですね」と発言するようになってしまい、そうなるとこれはアイデアチームも一緒に穴の中に落ちてしまった状態であり、引き上げることはなかなか困難です。
日本人は特に質問が多く出るそうです。また質問のスタイルをとった「提案」や「批判」も多く出るそうです。私もアイデア出しの対象物のことをよく知ろうとじっくり観察する手法をよくとります。技術者の方にはいろいろと質問をしてよくわかった対象物を自分の中に再構築してそこからアイデアの発想力を広げていきます。しかし、これはシネクティクスの考え方ではまったく逆です。関係のないものを結合して斬新な発想をうみだすシネクティクスはこの辺にひとつ独特の特徴があるような気がします。
相手を救い上げるには、一緒に穴に落ちないこと。
人の相談に乗るときには、時には一緒に穴の中でひざを抱えることも大切なことだと思います。アイデア出しのときにも大事なことだと思います。しかし、それによってたどり着く結果とはまったく違ったものも生まれえるかもしれないとおもうと、時には「あんまり知らない状態」の持つ価値を認めて活用してみるのもいいかもしれません。
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(追記)クライアントに質問していいこと(課題の分析)
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なぜ問題なのか・チャンスなのか
簡単な背景説明
既に試みたこと、思いついたこと
解決策を実施・実現する権限の度合い
理想の解決策(自分が神様だった、、、レベルの)
この会議から得たい結果