手のひらの大きさと、アイテムのサイズ
次の冬に向けて試作品を作っていました。
使ったのは、先日も紹介した「自己吸着性シート」です。
2011年の冬には、アイデアプラントの「ブレスター(アイデアを拡げる)」「IDEAVote(アイデアを絞る)」に次ぐ、アイデアワークのプロセスの道具を作ろうとしています。PPCOプロセス(アイデアを強化する)を担う道具でです。
その試作品をいろいろとこれまでも、頭の中では考えていたのですが、この自己吸着性シートでつくってみたら、いろんなアイデアがわきました。樹脂シートなのではさみやカッターでさくさくときれます。0.5㎜の厚さなので柔らかいのですが、写真のように12枚ぐらいかさねて6㎜ぐらいの厚さにすると「6㎜のアクリル板」のようなカチカチの硬さになります。貼るといっても空気の入らないようにピタッと置くだけなので、何度でも貼り直しができます。6㎜のアクリル板を切り抜こうとしたらそれは大変な作業ですが、このシートだと、はさみ一本あれば、(12枚同じ形を切り出すことにはなりますが)どこででもできる良さがあります。
このシートのカットラインを私はプロッキーで書き込んで切り抜いていますが、シートを石鹸で洗えば、プロッキーはさっぱり流れ落ちます。写真のものは、あえて消さずにレイヤーの奥の方にも文字や図形が書かれたままにしています。
本題に戻ります。
テーブルでアイデアを取り扱う時には「もの」があった方がいい、と私は体感的に思っています。言葉よりも紙に落としてある方がより、チームというのはアイデアのハンドリング(扱い)がうまくなります。アイデアを評価する時にも「評価軸」がものとして、場においてある方が、人々というのは、深く検討をするめられる、というところがあります。アイデアを強化するフェーズもまた、しかり、と思うのです。
そんなときに、テーブルの上に置くアイテムの大きさ、カードやチップのサイズは、「手のひらの大きさ」をベースに考えるととてもうまくいきます。人間が手ごろな大きさ、思わず所有したくなる物体といのは、人間の身体的特徴が持っている物理量をもとに考えると、おのずと見えてくることがあります。手のひら、手首から肘までの距離。肩から手首までの距離、背中を固定し手のひらを面積動かせる空間体積、などこれらの物理量LとかWは、手ごろな作るときのおよその見当を与えてくれます。
手のひらの心地いい大きさ、これをいろいろ探しているうちに、探り当てたのが11センチ×5センチ、でした。写真の携帯電話がそれに近い形状をしています。この形態は私がいろいろ携帯電話を触った中で最も質を感じた機体です。まずはこれに似せた形のものを作ってみようということで、写真のものを作ってみていました。
サイズの話としては、ここまでです。
もう少し脱線をして書きます。
この樹脂シートを積層させて立体的アイテムを作ると面白いとおもいました。作業をすすめるごとに一枚ずつ、はがしていく。はがしたものをテーブルか、ホワイトボードに張り付けていく。そういうことをすることで、面白い、デジタル空間に似た、情報表示のテイストを持ち込めるのではないか、と思っています。
これは、試作の中でも本当に初期の段階なので、まったくはかない仮説でしかありませんが、試作してみて、少し見えてきたものがあるも確かです。
(ただ、この方向性は、最後の実現性を上げる段階で苦労するだろうことは、容易に想起されます。なので、別の方向に進めるか、大量に生産ができない、プロユースの限定ツールにしてもいいかなぁとも、思っています。)