2011.04.13 アイデアワークショップ(&アイデア創出の技術&創造工学の講演) 京都精華大学の学生さんへ(3/3)ブレインストーミングの根底にあるもの京都精華大学 マンガ学部 ストーリーマンガコースの学生さんへ2011年4月12日の午後1時から6時まで、私、石井力重が担当させていただきました「アイデア創出の技術」の講義の予定4パートのうち、行えなかった一番最後の部分「ブレインストーミングの根底にあるもの」を動画で掲載しました。「え?ブレスト?あれって複数人でやるもんでしょ?漫画って、一人で考える作業だし、ブレストとか、別にいらなくね?」という考えもあります。このパートでお伝えしたかったのは「ブレストのルール」ではありませんで、「ブレストの根底にあるもの」を、「創造的に考えるときのガイドライン」として読み解く、ということをお伝えしたかったのです。動画を通じて、最も伝えたい事を2つ、かきます。「ブレインストーミングの根底にあるもの。それは、一人で考え時に、あなたが本来持っている創造的な思考の力を、徐々に引き出す「ガイド」となってくれるもの。創造的にアイデアを考えたい時のあなたを、導く”思考の基本動作”となるでしょう。」 それから「初めに出てくるアイデアは、平凡な物。それのずっと奥の方に、あなたの独創的な色のついたアイデアがある。でも手前にあるたくさんの平凡なアイデアが頭の中にあるうちは、そこに手が届かない。そういうのを避けて、独創の色のついたものだけを、さっと取り出したいわけですが、頭というのはそういう風にはできない。手前にあるボール(アイデアの視覚イメージとして「ボール」と表現させてもらいますが)、があると、ついそれをつかんでしまう。それは要らない、とおもって、その箱(箱は、脳の視覚イメージ)、の中で手をはなすと、しばらくするとまたそれをつかんでしまう。『さっきから、駄案ばかりが繰り返し浮かんでくるな。今日は駄目だ。』となってしまう。そこで、してほしいことは、至極単純です。手前にあるものをつかんだら、離さないで外へ出してほしいのです。箱の中に戻すと、何度もそれを拾う。だから、思いついたつまらないアイデアは、がしがしと、外に出していく。捨てメモを用意してそこに、ダァーと描きだしてく。そうすると、次第に箱の中のボールが減っていく。減っていって、独創の色のついたものにそろそろ手が届きそうになる。そういう段階になってくると、奇妙な形でシグナルがくるので、それを知ることができます。シグナルとは「ああ、アイデア、出しつくして、苦しいな。」という形でやってきます。なので、”苦しくて、もう出ない”というのは、”そろそろ、あなたの独創の色のついたボールに、手が届くフェーズに入ったよ”というシグナルだと、読み替えて、「そこからあと10個、ボールを拾う」ようにしてほしいのです。そのフェーズまで来ると10個ひろうと、必ず2個や3個はあなたの独創の色のついたものが出てきます。」この「ボール」と「箱」の視覚イメージのものが、実際に物体としてあるわけではなく、創造的な人の思考様式や、アイデア創出時の質と量の時間推移を分析していくと、ある種のケースにはみられる特徴、をそれを、できるだけ単純な感じに表現してみたものです。いつか、こういう”創造的な思考をガイドする”ことを、漫画っぽいものに、できるといいなぁともおもっています。折角、精華大さんとご縁あって、漫画の学生さんと接する機会をもらっているのですから。追記:ちなみに、昨日の講義でやった”発想ノート記法”の1つの形式で、資料の最後に付けていたページをここに掲載します。kyotoseikaUnv_ideaworkshop_ishiirikie_003.pdf中央のマス「創造的に考えるために、するといいこと」と入れてあります。気が向いたら、これを印刷して、「8つのマスを埋めてみる」ことを、時々やってみてほしいのです。たぶん、昨日や今日やれば、今回の講義内容を色濃く反映したものになるでしょう。でも、一週間後、三か月後。一年後。3年後。にやれば、それは自分の中で馴染んで変化してあなただけの”創造的な思考の回し方”をあぶりだすものなるでしょう。人は、習った通りに、覚えていたりしない。それが本来、自分の血肉になる、ということだから。(ご質問、ご感想、いつでも、お寄せください。コメント欄、メール、ツイッター、あるいは、私が京都に滞在している時(結構あります)に、コーヒーでもご一緒しましょう。) « 京都精華大学の学生さんへ(2/3)分岐マップ どんどん試し、どんどん間違え »