【テーマを設定する技法】「カオス・まびき法」
今年も、京都精華大学の漫画学部のゲスト講師をしにいきます。
漫画学部の授業の発想ワークのなかで、かなり、仮説的な手法を実験的に行っています。
その中で、「主題の辺縁にあるものを広げて、その中から主骨格となるものを引き上げてくる」ワークがあります。

それを「カオス・まびき法」と名づけました。
スライドを掲載します。
このブログにたどり着いて読まれる方は、ビジネスマンが圧倒的におおいので、そういう方々にむけて補足をします。
これは、「漫画専用」というわけではなく、用語をズラしてやれば、ビジネスにおいて、「(企画・開発の)テーマを設定する」ことにも使えます。
実験的な手法であり、まだまだはっきり説明できないところも多い、未成熟な発想技法ですが(なにせ、石井が、新たに作ってしまいましたのでーー。)ですが、人によっては、使えるエッセンスがあるでしょう。
ながい、補足:
そもそも、テーマ設定のプロセスを体系化した時に、人々にそれを試してもらい、その様子をつぶさに見て分かったのですが、人はこういうことを、メソッドが無くても、もやもや、やっているわけです。
で、うまくいったり、いかないときがあったり。
そういう複雑で暗黙的な思考の中の属人的な営み。
これは、教えられなければ絶対に出来ない、というものではありません。
体術みたいなもので、誰に習うでもなく自然と人々は目的に向かって自然と体の使い方を知り、目的を達成しているわけです。
ただ、身体科学のようなものを知っておくと、能力を高い水準で使うことができるように、そういうものが思考作業にもあります。
そういうわけで、いろんな創造技法から抽出した「テーマを設定する、思考のうまい手順」を創ったわけです、当時。
それを、思い切り漫画領域に、ずらしたものが、これ(カオス・まびき法)です。
漫画学部の生徒さん向けの資料なので、テイストが非常に、あいまいな感性語をつかって書いていますが、そういう香りがあったほうが、伝わりやすいこともあります。
この資料は、それを狙って、そのまま、公開するものです。
最後に:
手法は便利、ですが、面倒なもの、でもあります。
自転車みたいなもので、自分の能力を高い生産性に変えてくれる。
しかし、乗り始めは、なかなかうまく進まない。
ちょこっと進めばそれでいい、という人には、自転車を覚えるコストは無駄なんです。
そういうわけで、コンセプトワークの作業が、日々の仕事でよくある人、には、思考法というのは良い手法でありましょうが、ごくたまにしか必要ない、と言う人には、徒手空拳に頭が自然とする処理をまっているほうが、いいのだとも、思います。