主要要因を抽出し構造化。構造から意味を読み解く。
11月8日。アイデアボード開発プロジェクトは、いま、従来製品をテストしエッセンスを抽出するフェーズを終えようとしています。日本発のボードゲーム、海外のオーソドックスなボードゲームなどを、地域の学生さんにも参加していただいてゲーム実行・評価をしています。

一口にボードゲームといっても、その内在する思想や仕掛けはさまざまです。楽しみつつもその内在するものを観察し、1ゲーム終わるたびに、参加者であれはこう感じた、こういう部分がおもしろいとおもった、ここが退屈だった、といった評価を30分かけて行います。ゲームの内容を知っている、というレベルと、実際にやってみて感じたことを書き出していくことには、大きな違いがあります。知的活動にも、におい、のようなものがあって、ドキュメントだけでは情報が欠落しています。
1 複合コメントから、主要要因を抽出
そうして出てきた膨大な感想ワード。これを今度は、複合系から、主要要因を、抽出していきます。およそ18の要因が抽出されました。なかには似ているものや、表現するものの階層がことなるものも。
2 要因リストに○×づけ
Aのゲームで言及されていた要因が、Bのゲームにも無かったか、そういう視点で、18項目についてすべてのゲームを評価しなおします。
第一項目は、Aのゲームは◎、Bのゲーム、、、、Bにもこれ、幾分あるな、じゃあ、○。といった具合に評価をしていきます。18項目*各ゲーム、のマトリックスができます。
3 ○×の近似性で要因リストを並べ替え
今の時点で要因リストの◎~×で大まかにリストを整列させなおせます。この作業は、いくつモノゲームがあったときに、主要要因の性質が似たゲーム同士が近くになることを意味します。ここから、ある種の傾向が見えてきます。その意味を大まかに名称化します。
4 名称に最適な順番に、要因リストを並べ替え
名称をつけてみると、ところどころ、グルーピングしたいエリア内に、属性の違うものがあることが分かります。それらを、グルーピングしたい名称に準じて、再整理します。こうしてできた要因リストは、第一次のグループ化をおこなった小分類構造を持っています。
5 小分類の名称リスト、再考。(ゲーム特性とゲーム効能)
小分類の名称のリスト、これをよく見ていくと、ある視点で見るとさらに大きく分けられることがあります。今回は2つの視点で異なる分類ができることがわかりました。どちらかだけで決めず、その2つの視点で小分類を中分類をしました。2パターンの分類。個別進行か相互関係か、という視点。偶然性か能力か、という視点。です。ゲームの特性、という意味ではどちらも共通しています。
ところが、その2つの視点とは違った別の方向(そのゲーム特徴がもたらすメリット・効能)が同時に見えてきました。参加容易性、楽しさ、スキル育成、の3つです。この場合は、今回の開発目的が、スキル育成なので、スキル育成に星がつくものはそこに星を。つかないものは、参加容易性か楽しさか、どちらか一方に星をつけて、評価しました。
6 特性マップの作成
ゲーム特性の2つの視点を縦軸・横軸にして、ポジショニングのマトリクスを書きます。4つのセルに、それぞれの効能・メリットのタイプを書き込みます。(2×2の特性で分けて、各々の対応するメリットでエリアに名前をつける。社会科学系の研究でよく見られる図です。PPM分析など。)そして、実際のゲームをMAPに配置していきます。こうしてみると、なるほど、各ゲームの位置づけがよくわかります。
7 開発目的に合うセグメントを明確化
MAPのなかには、能力育成要素の少ない娯楽過ぎるものエリアと、実行には高い能力が必要な高度すぎるスキル育成エリアが見いだされました。それは排除エリアに。そして、残るエリアのエッセンスが今回の開発商品の、ゲーム特性と、もたらす効能メリットです。なるほど、これならば、既存ゲームのどれが参考になるのか、そのゲームがどのようなゲーム性の要因を持っているかが、参考材料になります。
その結果、2つの部分に分けられるのですが、ゲームの楽しさをかもす仕掛けは既存製品が大きく参考にでき、能力育成を担う部分は、開発能力が独特であることから、ここは独自にまっさらからコンテンツ開発をする必要があることが分かりました。これらの分析を通じて、何に注力すべきか、が明らかになりました。
以上、KJ法で構造から意味を読み解く作業をしていました。整理されたものの多くは”なんとなく感じていた感覚”と一致しています。その感覚的な部分が明確なプロセスと主要要因リストで構成されていることが重要だと思います。このナレッジがあれば、開発過程でまよったり、ずれたり、安易な選択をしたり、ということが本質的に避けられますので。
さてさて、この産学連携での商品開発プロジェクト、どのような展開になるのか、私自身も楽しみです。すべてのプロセスは観察・記録しています。プロジェクト完了の暁には、なるべく多くの方に参考にしていただけるように、情報公開いたします。産学連携コーディネータが自らのノウハウを商品化するプロジェクト、全国でも他に例の無い取り組みです。(多分)。頑張ります。