「新しいアイデアを見るときはまずその長所を探す」
アイデアを「広げる作業」と「絞る作業」があります。
これは「generate」と「evaluate」だ、ともいえます。
時々、「このアイデア、どう思います?」という相談を受けることが
ありませんか。そのときに2つの反応があると思います。
1)おもしろいな。もっと広げたり、新しい可能性を加えたりできそうだ。
2)荒削りだな。コストやリスクは十分に洗い出しているのだろうか。
相手が、1と2のどちらを期待しているのかを確認するには、
「アイデアを、広げたい?絞り・磨きたい?」と聞くか
「アイデアを生成したい?評価したい?」をたずねてみるといいでしょう。
相手の気持ちが両方の場合もあるので、
そのときは、1を行って、それから2を行うといいでしょう。
※1をしたいときに2で対応すると「アイデア・キラー」に。
※2をしたいときに1で対応すると「洗練不足」に。なります。
さて、タイトルの言葉「新しいアイデアを見るときはまずその長所を探す」(※)は、1を行うときに必要な、心構えです。普段、2ばかりを行っている人には特に意識しておくべきポイントです。
(※)出典:『創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか?』(B.ミラー、J.ヴィハー、R.ファイアスティン)
出典よりさらに引用、要約すると以下のようになります。(「」は本文の引用を示す。)
「誰かからのアイデアを提案されたり、数多くのアイデアを自分で生み出した後のステップは、それらを評価し発展させることだ。残念なことにわれわれの多くは、アイデアの悪いところをまず評価することで「洗練」させようとする。」
「創造性セミナーで教えるテクニックのうちの1つは、アイデアを評価する際、まずアイデアの長所(pluses)、潜在力(potentials)を探し、次にそのアイデアの心配な点(concerns)を考慮し、最後にその心配な点を克服する(overcome)というもの」
「これは「まずほめる(Praise First)」または略してPPCOとよばれる。」
「1)ある特定のアイデアを選んだ後、そのアイデアについて少なくとも3つ良いところを探す。それらが長所だ。
2)次に潜在力を探す。そのアイデアが実施された場合の将来におけるなんらかの利益の可能性が潜在力だ。「~かもしれない。」で文を終えるといいだろう。
3)どんなアイデアも完璧ではありえない。第三のステップとして、そのアイデアについて心配な点をあげる。ただし、それらの心配点を問題に関する意見表明の形で表すこと。解決策を考えることで、アイデア発展プロセスを続けることができる。仮に、あるアイデアの心配点はコストがかかり過ぎることだとしよう。その場合、「どうやってコストを減らせるだろうか」や「そのアイデアを発展させるためにかかる資金をどう見つければいいだろうか」というように表すといいだろう。
4)問題に関する意見表明として書かれた心配な点に対して、それを克服するアイデアを考える。こうすることでそのアイデアは強固なものになり、実施する際にまわりから賛同を得られやすくなる。これが、アイデアを評価し洗練させるための建設的で積極的な方法だ。」
P(プラス)P(ポテンシャル)C(コンサーン)O(オーバーカム)。
この順序で効果的に対応することができます。