事業アイデア3要素
4月22日。事業アイデアにおいて、アイデアを注ぐべき3要素を整理していました。
What、Whom
事業アイデアを考えるときのポイント、1つ目は、何を開発するか・何を売るか。つまり「何をするか(What)」です。
2つ目は、誰に売るか、どんな課題に対応した商売をするか。つまり「誰にむけてか(Whom)」です。
この「製品」「顧客」の2軸をとって、既存と新規を割り振ると、既存事業から新事業への進出戦略を図示したものになります。
既存製品・既存顧客 → 新規製品・既存顧客(つまり、顧客深耕の戦略)
既存製品・既存顧客 → 既存製品・新規顧客(つまり、新市場展開の戦略)
既存製品・既存顧客 → 新規製品・新規顧客(上記戦略の次にとりえる戦略)
これらの理由で、よく事業アイデアを述べるときに「誰に、何を売る」というポイントで話されることが多いですね。
How
さて、3つは、どうやって提供するか。つまり、「どうやって(How)」です。
事業の上で大切な考え方に、イノベーション(革新、もしくは、創新)というものがあります。イノベーションとは、ざっくりと表現すると、「高い価値を創出するために、大きくチャレンジしてその成果を上げよう」といったものです。市場や社会の変化に合わせて、事業や製品は順次発展していくものですが、連続的な小変化だけでいつまでもいけるものばかりでもなく、あるときには、大きな変革が必要になります。そうした大きなジャンプがイノベーションというもののざっくりとしたイメージです。
さて、そのイノベーションには、「製品」と「事業システム」があります。事業システムとは、簡単に言えば「商品を届ける方法」です。企業が顧客へモノをうるときにその売り方、といったイメージのものです。イノベーションを考えるときには、製品と事業システムの2つがある、ということを意識することが有効です。事業アイデアを考えるときにも、この「どうやって、提供するか(How)」は事業の価値を設計する上で、重要なポイントです。
ここまでを整理すると、事業アイディア発想のポイント(事業アイデアとしてアイデアを注ぐべき3要素)は以下になります。
What・Who・How
何を、誰に、どのように、売るか。
ちなみに、6W3H(5W1Hのビジネス拡張版)との関係で言えば、上記の2W1Hは、次のようになります。

一行目は、「何を」とその関連性の強いもの。
「誰が(Who)」といえば、通常は事業アイデアを考えてるその人・その組織です。ここは、誰が、という問いの奥にある「なぜあなたがそれをするのか」つまり自社の強みの活かし方、という視点を。
「いくつ(How many)」は、何を作るかと深く関係します。一人起業の場合、手作りの商品であれば、作る数は小規模です。製品として出せるクオリティーにも関係します。意外と見過ごされがちなポイントです。
二行目は「誰に(Whom)」とその関連性の強いもの。
「なぜ(Why)」の意味するものは「なぜ、顧客はそれを買うのか」と表現されます。売り手が思い描くように顧客が買う場合ばかりじゃありません。お客はほしくなってそれを買う、わけですが、お客がそれを欲する理由、きちんと説明できますか。イラナイモノ屋にならないために。
「いくらで(How much)」の項目は「だれに」=顧客を決めた時点でかなり絞り込まれます。価格を高く設定するならば、だれに、も一緒に見直す、そんな関係にあります。
三行目は「どうやって(How)」、つまり「事業システム」と関連性の強いもの。
「いつ」「どこで」というのは、事業システム、すなわち顧客への提供方法として、考慮しておく必要があります。働くビジネスマンに、平日の日中、住宅街でサービスを提供しようとしても、ハードルが高いでしょう。いつ、とうのは、一日のうちの朝、昼、夜、という視点もありますが、一年のうち、春、夏、秋、冬、という視点もあります。あるいは「小腹が減った時」という視点もあります。
これら9つの要素の全てがアイデアフルでなくても構いません。一つにきらりと光るものがあれば、可能性が出てきます。
追記:
事業アイデアを考える。漠と考えていてはなかなか出てきません。発想するいい練習方法があります。それは、既存の事業を、コア2W1Hで、見直してみて、それを1要素だけ入れ替えて新しいビジネスを設計してみる、という方法です。(はてなタクシー、が手法のエッセンスです。)
たとえば、街のパンやさん。
だれに=地域に住んでいる方、とくに、主婦、子供
なにを=お店で作ったパン
どのように=焼き場と自宅と売り場が一緒になったお店
このときに、「なにを」を変えてみましょう。
お店で作ったパンを、変えて、「お客さんが作ったパン。それを焼くサービスを提供する」ということは出来ないか、と考える。家で火力の弱い機器で焼いているパンを、プロの腕と釜で焼いてみませんか。といったスタイル。
あるいは「お店で作ったパン」と「新聞」を組み合わせてみる。一人暮らしで朝ごはんを買って食べている人が毎朝、コンビニでおにぎりや新聞を買っています。朝からパン屋さんによって、それからコンビニによるのは、時間がもったいない。そこで、パンと新聞のセット提供。毎朝かう、という定期購買、料金前払いの契約をすることと、テーブルでその場で焼きたてパンが食べられること、朝の時間を一緒に過ごす人がでてくること、などなど、いくつかのヒントやアイデアも加えていけないか、と。
こうして考えていくと、ビジネスアイデアの種をふっと考えていく思考力が養われていきます。