プロセス化とリスト法で知を活用する
知を活用する、ということについて考えています。
・プロセス化
・リスト法
の2つで、多くの知を活用可能な形状にデザインできる可能性がありそうです。
「プロセス化」
あることをしよう、と決めたならば、その目的と現在地点を明確にして、差分を明らかにしますよね。スタート地点(現在地点)とゴール地点(目的)の間の道のり(差分)を、はっきりさせる、と言い換えられそうです。
さて、その道のりが、比較的良く知られている場合、もしくは、自分の経験上、大体察しが付く場合、「これはこうして、次にああして、それからこれをそうして。。。」という段取り、が組めます。行為を順にならべたもの、いわば、プロセス。
目的達成までの方法を、このように”行為を順にならべてモデル化”することを「プロセス化」と、私はよんでいます。プロセス化できるならば、そうしたいもの。プロセス化されたら、それは後人にとっても、目的達成の効果的なツールになります。
”プロセス化の課題”
プロセス化、が出来ない場合があります。あるいは、出来るけれども非常に複雑で膨大な分岐をともなうプロセスになってしまう場合があります。
たとえば、その目的達成までの行為は何度も経験しているけれど、行為を順にならべモデル化することは、まず不可能、という事柄ってありますよね。周囲の状況次第で、全く対応するべき方法がかわってしまうこと。成功した事例の手順を再度おこなっても必ず目的達成は確約できないこと。個別の行為はわかるけれど、あれをしたら次はこれ、ということを条件付けて書いていったらもう、それは膨大な条件分岐をもってしまい、厳密にフローはかけるけれど、実践的ではないフローチャート、などなど。
ここで重要なのは、行為要素は事例・経験によって沢山たまっている、です。そういう経験のストックを持っている人は、他人に説明し教育することは出来ない場合でも、自分が実践現場に投入されれば、目的達成ができることが多いですね。
「リスト法」
こうした、十分網羅的な経験による”行為要素”を、リストへ書き連ねていくことは出来ます。”こういうことがおきたこうする””ああいうものを創るときにはこうする”といった個別の”戦術”にちかいノウハウのリストです。こうしたものは「事例集」という名称でドキュメントになっていることもあります。
これをすこし整え、活用者起点で再表現する手間をかけます。つまり、”行為要素””事例集”は、「こんな行為があります」「こんなケースがありました」という事実の列挙という形状をとっているわけですが、これを、
(1)要素の本質へとそぎおとし
(2)その本質的行動をとらせる単純な指示にする。
という作業です。指示は、対象の性格によっては問いの形をとるほうが良い場合も。
こうした”戦術的な指示リスト”を知として残せば、それは後人にとっても、目的達成の効果的なツールになります。目の前の困っている状況に大して、その具体的な戦術指示ワードをザーッと見ていけば必ずいくつかはその状況を何とかするものが見つかるでしょう。(事例集でも、よく考えれば、その本質と指示にたどりつくでしょう。しかし、多数事例を現場において短時間で理解し本質を言い当て現状に適応する、というはなかなかハードです。)
”プロセス化とリスト法の良いとこ取りが、実際的”
完全にプロセス化はできない、というときに、プロセス化できる部分は、プロセス化し、フローがとても複雑だったり未分化だったりする部分は、行為要素を整理してリスト法にしておく。そのようなスタイルがもっとも実際的だとおもいます。
図式的に書くと
フローチャートが、分岐を含みつつ、記述されて、
↓
あるところでは、未分化のプロセスを「リスト法」で対処して、
↓
その部分を乗り越えられたらまたフローチャートで記述された明確なプロセスへ進む。
そんな形です。リアルワールドの複雑なものを、うまく活用可能な知へ、モデル化するには、こうした構造を利用すると良いかもしれません。