2008.02.17 メソッド&ハウツー ARCSモデル企業内人材育成入門の動機づけの部分に興味深い記述があります。動機付けのヒントとして、私なりに理解したことをメモしておきます。 これまでにメモしてきたような動機づけの理論を活用し、研修を企画したり教材を開発する際に学習者の動機づけを高める方法をモデル化したものがあります。ARCS(アークス)モデル(ケラー)。学習意欲を四つの側面から捉え、各側面の頭文字をとってARCS(アークス)。 ■ARCSモデル 1 注意(Attention)「面白そうだなあ」 2 関連性(Relevance)「やりがいがありそうだなあ」 3 自信(Confidence)「やればできそうだ」 4 満足感(Satisfaction)「やってよかったなあ」 1 注意 学習者の興味を引き、探究心を喚起する。マンネリを避け、学習者に「面白そうだなあ」と思わせること。 2 関連性 学習目標に対して親しみをもたせ、与えられた課題を受身的にこなすのでなく、学習者が自分のものとして積極的に取り組めるようにする。目標に向かうプロセスを楽しめるようにし、学習者に「やりがいがありそうだなあ」と思わせること。 3 自信 ゴールを明示し、成功の機会を与える。自分の努力によって成功したと思えるような教材にし「やればできそうだ」と思わせること。 4 満足感 学習の結果を無駄に終わらせない。目標に到達した学習者をほめて認める。公平な評価を行い、「やってよかったなあ」と思わせること。 (石井の私見的コメント:このARCSモデルは、実に身につまされます。研修。自分の提供する場合や自分の受講する場合を考えてみると、自分がどこまでできているのか、ある研修がなぜ茫漠とした感じになってしまうのか、がよく分かります。) 学習者の興味・関心を引き、行動へと動機づけることが重要。 なお、このモデルについての参考文献としては以下の本が紹介されています。 教材設計マニュアル―独学を支援するために この本は、巻末の「ブックガイド 人材教育の基本を知るために」に”教育工学”の項目で、数ある本の中からそれがおすすめ、とあります。アマゾンの読者レビューを見ても非常に良い本と分かります。手に入れて読んでみようと思います。 後日追記: このARCSがなかなか便利なのでA3シートにしました。 下記をクリックするとA3サイズのPDFファイルが開きます。 ARCSモデル.pdf « 動機づけのヒント(4) 動機づけのヒント(6) »