効果的な知の伝達には、伝えたい概念を「シンプルモデル化」をしよう
1.切り口
効果的な知の伝達には、伝えたい概念を、「シンプルモデル化」するとうまくいく。それでは伝えきれない具体論、多様な情報、定性的な話、は“その他の物事(プラスα)”として提示する。
この考え方は、仮説であり、適する場合とそうでない場合がある。漫画のお話づくりを教える、という場面で使えるかは、定かではない。しかし、試してみる価値はある。
2.シンプルモデルの概要
シンプルモデルは、「要素」と「構造」で構成されている。
2.1「要素」
「要素」は複雑なものごとの海の中で、その物事の本質部分を構成する最小の固まり。「この単元のポイントは・・・」とか「要するに、端的にいえば○○ということ」という、いいかえの際に表現されているものごとは、大抵は、それ(要素)である。
2.2「構造」
「構造」は要素同士のつながり方。複雑なモノゴトの中から拾い上げた“要素”だけで、本来のモノゴトを近似するように「要素間のつながり」を作る。つながった要素グループがさらにほかの要素やグループとつながる。階層は多くて2段階まで。それ以上の階層構造は、別のモデルにする。
2.3「その他の物事(プラスα)」の伝え方
先にくっきり認知させるべきは、 2.2.1 と 2.2.2 である。その上で、シンプルモデルにプラスαを張り付けるように、その他の物事を提示する。
2.3 解体と再構築(編集)
素材文章のよい点を生かしつつ、発展させることを最終目標にし、一度、素材文章を、解体と再構築(編集)する
文章の中に、知識を獲得しに行く人は、中にある「重要な概念」「俯瞰的な話」「部分についての具体的な話」を識別しそこなう可能性が高い。これは、先に述べた知識学習の切り口でいいかえるとこうなる。素材文章は「シンプルモデル」と「その他の物事」が混在したコンテンツであり、学習者はその2つの違いを非常に慎重に読み進めない限り、認知できない。そのため、優れた内容が十分に、学習者に理解されず、スキルとしての定着も不十分になる。
話を理解する能力のある学習者は素材文章から、感覚的に理解する可能性がある。しかし、多くの学習者は、「はっきり」「少量の」やるべきことを示さない限り、その知識を吸収しない特性がある。学習者は、プロの教える重要な情報を受け止めずに、「なんとなく」感じとりし、自分の理解したい方法で理解してしまう。
「明確な概念要素で」「覚えやすいフレーズで」「少量の」知識を提示し、それから、その他の物事を、提示することで、素材文章の理解度を大幅に向上させられる可能性がある。
2.4 戦略
素材文章を、こう組み替える。
「(素材文章名)・新しい構造」
STEP1
シンプルモデル
挿絵「このステップで教える概念を俯瞰する図か絵(地図、又は、象徴的な1カット」
その他の物事
STEP2
シンプルモデル
挿絵「同上」
その他の物事
STEP3
シンプルモデル
挿絵「同上」
その他の物事
※シンプルモデルは1ページ以内に
※挿絵も1ページ以内に
※両方を見開きページする
なお、非常に概念が多いステップは、2つもしくは、それ以上に分けるべきかもしれない。
また、「○○形式」「○○の要素、1.… 、2.… 、3.… 」のような要素をとっている場合がある。この表現方法は、知識学習の面では好ましいため、このスタイルは、極力踏襲したい。