達成、楽しみ、新奇探索
早朝、書斎で考え事をしていました。人は未充足ニーズを常に生み出し、市場は徐々に移動していく、ということの本質について。
人間には
「新奇探索」→「達成」→「楽しみ」→そして次の「新奇探索」へ
という心理があるのではないか、と思います。
1)「新奇探索」
満足したら、新しいものが知りたくなる、獲得の努力をしたくなる。そういう「新奇探索」というべき性質が、人間にはある(あるいは、市場の購買推進力を形成する人々にはある)のかもしれない、と思いました。
2)「達成」のプロセス
新奇探索を、したら、徐々にその知識や物を手に入れられるでしょう。達成のプロセスをへて、そして、その知識の習熟や物体の完全な利用ができるようになるでしょう。
3)「楽しむ」
熟達した状態の人はその体験を楽しむことができるでしょう。うまくいくことをやるほうが、うまくいかないことをやるよりも楽しいですから。
しかし、うまくいくことを永遠に楽しみながら繰り返すことはできない。そういう部分もまた、人にあるでしょう。熟達したことへの再試行は、ルーチンにちかくなる、というべきでしょうか。
そこで、それに「飽きる」もしくは「満足する」という心理が醸成されて、次の何かを探し始める(「新奇探索」」)。そういうプロセスを繰り返したどるのではないか、と。
大人になると、そういう性格はなりをひそめたり、逆に強まったりしているようで、人それぞれですが、幼児の行動には、上記のプロセスは広く見られるように思います。
新しいおもちゃを欲する(新奇探索)
新しいおもちゃを手に入れたら、それを遊び、
遊びの新鮮さがなくなるまで夢中になって遊ぶ(達成)(楽しみ)
脱線:雑誌やニュースサイトは、新奇探索の潜在欲求をみたす役割を持つのかもしれません。知らない人と話すような心理も、またそうかもしれません。
この「達成→楽しみ→新奇探索」という心理について見つめてみようとしていた時に、「旅人」がアナロジーとして浮かびました。
目的の街にいくために努力をする。
目的の街について、しばらくその街を楽しむ。
満足したら次の旅に出る。
このことがどういう意味をもつのか、どういうビジネスチャンスをもつのか、もう少しだけ考えてみたいと思います。
散文的にアイデアを書いてみます。
WEBサイトなどの見せ方の場合
まず、情報をデザインするうえで
「新奇探索」をくすぐる構成をつけた入口をつくる
次にそれぞれの入口の先に、熟達(達成)のステップスを
設計して、コンテンツを配置する。
そして、楽しむ、つまり、その知識の習熟の上で
それを適用してうまくいく体験をさせる、という仕掛けを
おいておく。
こんな感じになるかもしれません。
似た要素を感じるものに、教育工学の「ARCSモデル」があります。
ARCSモデルの要素と比較してみます。
A…それ、面白いな ⇔ 新規探索
R…それ、関係有りそう ⇔ 達成
C…やれば、できそう ⇔ 達成
S…やってよかった ⇔ 楽しみ
こんな感じになるかもしれません。
層考えると「新奇探索」という心をうまく察してデザインすることや、「新奇探索」をうまくくすぐるようなもの、というのが優れたビジネスには必要なのかもしれません。