誠Biz.ID:短時間で多様なアイデアを引き出す道具
アイティメディアの誠Biz.IDさんに
『アイデア・スイッチ』を取り上げていただきました。(3回目)
内容は、2章の中にある
「「発想トリガー・リスト」で次々発想する方法」です。
本では、熟成度の高いリストに限って紹介しているのですが、
このほかにも、発想トリガー・リストとなりそうな条件を
わりと満たしているものが世の中には結構あります。
可能性に期待して、いくつか、ここでご紹介してみます。
【1】プロフィット・パターン
スライウォツキーのザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのかは23パターンです。終わりの方で、デジタルの可能性を指摘して終わっています。現在では、デジタル領域でのプロフィットパターンが非常に大きな存在となっているはずです。その意味では、たぶん、もう23個くらい、プロフィットパターンをデジタルに主軸のあるものの中から見出すと「利益モデルを発想する」時に、有効な道具(それも非常に価値の高い)として重宝するはずです。
【2】パターン・ランゲージ
アレクザンダーのパタン・ランゲージ―環境設計の手引は、都市の中の要素には、いくつかのパターンがあり、西洋・東洋で見た目は違っても、街の中に現れる特徴としては似ているものがある、として200以上のパターンを抽出・整理したものです。建築の世界では主流にならず、ソフトウエア・パターンなどの観点で現在も注目されている点も面白いです。
【3】物語原型論にみられるお話しのパターン的要素
出典が手元にありませんが、物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)
では、ロシアの民話の中に出てくるお話しの展開パターンを抽出したものが30ちょっとにまとめれている、といった紹介があったと思います。日本の昔話にはそれにはうまく当てはまりませんが、異国のストーリーを作るには、十分そうなパターンでした。それを使えば、ストーリーの断片は、次々作れるかもしれません。
【4】タロットカード
人生において、おこる事件や事故、あるいは幸運なことや何かの助け、というものをおもいっきり抽象化して「パターン」にまとめたら「タロットカード(の大アルカナ)」に、似たものになるでしょう。占いのことは、どう考えればいいのかわからないのですが、主人公におこる大事件(出来事)を発想する道具として、それを、タイムライン上にならべると、波乱万丈な主人公の物語が瞬く間に考案出来るでしょう。
【5】ユニバーサルデザインの教科書のサブ項目
ユニバーサルデザインの教科書にはUD10項目と、それぞれにサブ項目が2~5くらいついて、合計で30ぐらいの項目があったともいます。それを発想トリガーにすれば、変哲のない文具、玩具、自転車、フライパンなどを、次々、使いやすいデザインを考案するためのツールとなるでしょう。(もちろん、本来のUDの深みはもっともっと深いのでしょうけれど、あくまで次々発想する道具、として使えそうです、と表現してみました)
他にもいっぱいあります。
特に歴史は繰り返す、という意味では、膨大な歴史事実から、「人の世に起こる物事にパターンを見出す」ことができて、それらを40~50ぐらいにまとめれば、ある程度「社会に何が起こるだろう」というときに徒手空拳で考えるよりはるかに、エッジのたったものごを考えられると思います。
そんな道具を独自で作っている人は、たぶん、各種の専門家の中には結構いらっしゃるのではないか、とおもいます。宮大工の棟梁のあたまの中、とか、ハンドクラフトの革製品修理の職員さんの脳内とかにも。
発想トリガーとして、きちんとした紹介ができる機会があれば、また何かの形でまとめてみたいと思います。
