6つの「帳簿」という名の管理ツール
今日は、税金の支払いに向けて、ずっと学んでいます。
4月に開業したとき「いや~、こんなになんで帳簿があるのだろ」とおもって、うんざりしたまま理解しないでいた帳簿付け。取引回数がすごくすくない私の仕事なので、今日までほったらかしてきました。簡単にいえば「1BOX管理」をしていました。入ってくるお金、使うお金、差し引きがクロなら安心。そもそも、私の仕事は掛買することはほとんどないので、財布がプラスなら、まあ、大丈夫、とおもって、全国をかけまわっていました。が、ここにきて、やっぱりそろそろ、きちんとしよう、と思っていたので今日は一日、ずっと経理のお勉強をしていました。
商社にいたころから、どうも、経理的なこと、売り上げ管理的なことは、苦手で苦労していたのですが、いい機会なので、きちんと、取り組んでいます。
さて、先の本「スラスラ…」で読むと、必要経費の次に、6つの帳簿(と付属エクセル表での記入法)が解説してあり、なるほど、そういう道具か、理解できました。
これは、筆と紙しかなかった時代に、人間の記憶を超えた取引量をしていた商品にとって、ずいぶん便利な「ツール」であっただろうと、思います。
6つの帳簿
・現金出納帳(すいとう、と読みます。理系にはシュツノウと見えますが)
・預金出納帳
・売掛帳
・買掛帳
・経費帳
・固定資産台帳
まず、こういう概念がなかったとしたら、を考えるとわかりやすいのですが、自分の取引で「いま、あそこにはツケで買っている」「あそこからの入金がまだ」「キャンセルで売上の一部を減額」といったことがあったら、財布管理では、わけがわからなくなります。「いつも現金払い」じゃないと、わからないし、そもそも納税の際に、こまります。ざっくり売り上げこれくらいか、というスタイルになってしまいます。(ただ、小規模事業者の多くなる社会では、そういうのもありなのかもしれませんね。可能性として。)
現金出納帳には
入金、出金の項目があり、それぞれが
現金売上、その他
現金仕入、その他
となっています。
日付、摘要(サマリ、ですね、取引の)、金額、残高、
という項目があります。
なんで「現金売上」と「その他」にわかれているの?とおもったのですが、この「現金売上」は、売掛金の項目に転記されるべきものだから、専用で項目があるんですね。これを、「星印」とかつけて区別しよう、としたら、後で転記する時にきっと見落とします。こういう「別の管理視点で転記するべきものは、別だての項目にする」というのは、長年の人間の知恵なんだろうなぁと思います。この管理手法は、経理によらず大事だなぁと。
いまは、PCが引用してほかのシートに転記しますので、項目分けずに「星印」とかでもできなくはないのでしょうけれど、それにおいても項目が分かれているのは、便利です。なにより「おかしいな」というときに、人間は目で見てチェックするわけで、その時に、この構造は役に立ちそうです。
預金出納帳は、上記と、ほぼ同じです。いまいちよくわからないのは、預金出納帳の場合、売掛金の入金は「その他」に記入になるそうです。ここだけは、なんでだろう、とまだ混乱しています。(後日判明したら、ここは削除)
売掛帳は、売掛金額を記録し、それが入金されたら、反対の項目に書いていく、というものです。なるほどなぁと思うのが、値引きの場合には反対項目にいれるのではなく、売掛金額の項目にマイナス数値を入れる、という点です。
消しこみを行う、という概念操作上は似ていますが、売掛があってそれが入金されていくのと、売掛が一部へって、売掛総額がへるのでは、取引の意味が違います。課税対象的にみても違います。それを最小限にかんりするのは、こういうやりかたかぁと。これは、インフォメーションの流通と物質の流通、という心象風景です、私には。
買掛帳も同様です。これは、いわば人に払うべきお金で、しっかりしていないと信用をなくしてしまう大事な管理項目ですね。
そして経費帳。サラリーマンだと「仕事で使った経費の領収書を回す」ということをしますが、その水面下ではこういうしょりがなされているのかーと興味深いです。結構いろんなタイプの経費があるんですね。領収書のカテゴリーをしっているだけでも、人に処理を依頼するのに、スマートにやれそうです。
そして、固定資産台帳。エアコン、パソコン、自動車、といった高額の道具を買えばここに書くことになります。多分、私の欲しいハーマンミラーの「エンボディーチェアー」も白色申告ならばこれに当たるでしょう。個人事業の場合、事業と生活の半々で使うといったこともあるでしょう。それについては按分、という考え方がありその記入項目もあります。
そんな管理ツールで、大体、正しく税金をおさめることができるんだ、と興味深く勉強しました。かつてはもっと、単純だったんだろうと思います。固定資産という概念がなく、すべて必要経費だ、という時代もあったのかと。しかしそれだと、巨大な買い物をした時には、大きな経費があって赤字すらなって、翌年はそれが経費計上できないのは、やっぱりおかしい、となったんだろうなぁと、思ったりします。勘定科目のたてかたも、現在の事業スタイルがこういう形でわけることを要請しているのだとしたら、将来、もっと、IT上の事業が社会的に増えると、通信費とか、IT系の固定資産の概念がもっと分割されて、旅費交通費と接待費と福利厚生費あたりが、もっと、単純統合されるんだろうか、とおもったり。
そんなことで、今日は、一日、アイデア技法をはなれて、経理と税金に思いをはせる一日でした。実際には、「分かった」だけですので、実践して整理していくにはもう少し時間がかかりそうです。
(でも、明日からはまた、本業を全力推進しないと!)