アイデア評価軸【まとめ】
さて、今日は、6種の評価軸リスト「実現可能性編」「突破力編」「イノベーション収益編」「創造編」「ものづくり編」「事業開発編」と、ブログに載せてきました。
リストをまとめてみます。
■実行可能性を重視する場面では
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R1.人的資源
R2.物的資源
R3.金的資源
R4.情報
R5.時間
R6.技術
R7.ブランド
■突破力(成長推進力)を重視する場面では
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V1.面白いか
V2.市場性(ポテンシャル・マーケット、市場規模)
V3.収益性
V4.競合性(ライバル、大手不参入理由)
V5.リスク
V6.他(メンバー、戦略、特許、
IPOの可能性、株価、海外展開)
■イノベーションからの収益力を重視する場面では
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P1.知的財産権、パテント (Property Rights in Innovation)
P2.補完資源、補完技術 (Complementary Resources)
P3.技術の性質、性格 (Characteristics of the Technology)
P4.リードタイム (Lead Time)
■創造を重視する場面では
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C1.新規性(Novelty)
C2.有用性(Useful)
C3.解決(Resolution)
C4.推敲・綿密な仕上げ(Eloboration)
C5.統合(Synthesis)
■ものづくりを重視する場面では
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D1.お金がかからないこと
D2.準備/開発時間がかからないこと
D3.人手がかからないこと
D4.モノの手配が容易なこと(道具,場所,材料も含む)
D5.技術的困難度が低いこと
D6.市場性があること(波及性(時間的,広く浅く/深く狭く))
■事業開発性を重視する場面では
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B1.儲かりそう[=収益性]
━潜在市場は、成長トレンドにある[=成長性]
━高額な値段をお客は受け入れそう[=顧客価値の高さ]
B2.他にないベネフィットを提供できそう[=ベネフィットの独自性]
B3.すぐ出来そう[=実現スピード]
B4.リスクが低そう[=低リスク]
━重大な損害賠償を受ける可能性はなさそう[=安全性]
━失敗した時、回収不可能コストが少なさそう[=トライアルのコスト]
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アイデアを評価するような場面として「こと作り」「ものづくり」「問題解決」があり、他にも評価軸はありますが、創造活動にひもづくり活動領域としては、ざっと上記のようなものになります。
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アイデア収束の作業に同席すると、それぞれ、人は自分のポジション毎に評価軸を、明確に・暗黙的にもっていることがわかります。そして、多くの場合、「評価の観点は、それしかない」とも、思っていることもよくあります。
事業開発や製品開発の場面で、ブレストは価値観がばらばらでも、それも多様性の効果をもらたらして、もりあがったりします。しかし、アイデアのセレクションのフェーズに入ると、とたんに、ムードが悪くなる。これの背景には、そうした「評価の観点はこれしかない」とおもっていること、そして、それは各人が別のものを抱いていること、さらに、それらが、明確にはどういう評価軸であるのかを説明はしがたい「センス」としておりこまれていること、が、問題の箱を開け解決の方途をみいださせることを、ブロックしています。
ならば、「評価軸を、可視化して、物として、選び取り、みなで共有する」という道具を、作ろう、と、私たちはしました。きわめてコンセプト的なツール。概念を物体にする、というのは、とても困難で、不完全な行為です。それをでもなお、それに挑んでみました。
来週リリースする、この「IDEAVote」に含まれるアイデア評価の構造は、こういった明文・不文律にある、アイデア評価視点を収集・再分類してできています。
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次は、これらから作られたIDEAVoteの「アイデア評価の8つの軸」を紹介します。