ブレストのルールと対を成す、「収束の5つのルール」
オズボーン系の技法が蓄積されたCPS(創造的問題解決)の中には
・発散の4つのルール(ブレストの4つのルール)
と対を成す存在があります。
・収束の5つのルール
というものです。
日本語では、発散と収束、と表現するとなんだかよくわかりにくいですが、原点を英文表記のままひもとくと、こうです。(CPSのテキストより、引用)
Divergent thinkings
━Generating lots of options,making lists
Convergent thinkings
━Judging options.focusing,making decisions
発散思考、収束思考、という表現は、KJ法の使い手などにはなじみのある言葉ですが、簡単に言えば、
「アイデアを広げる、選択肢を創る」局面と
「アイデアを絞る、意思決定する」局面がある。それらを
シンボリックに言えば「発散」と「収束」と表現されます。
さらに、教科書にはこう続きます。
To Diverge・・・
━━━━━━━━━━
Defer judgment.
Strive for quantity.
Seek wild ideas.
Build on other ideas.
To Converge・・・
━━━━━━━━━━
Be affirmative.
Be deliberate.
Check your objectives.
Improve ideas.
Consider novelty.
最初の4つは、ブレインストーミングの4つのルール、その原典的表現です。たとえば、アメリカの優れたプロダクトデザイン会社であるIDEO(アイデオ)の会議室には、上記のルールの表現に近いものが、掲示されています(IDEOでは、実際には、オリジナル・ルール3つが加わっています。)
さて、後半の5つのルール、これが、ここで紹介したいメインの話「収束の5つのルールです」
収束にも、効果的なアイデアワークのガイドラインが、実は存在します。日本では、ブレストをしっていても、こちらの収束ルールを知っている人は、非常にまれです。(ちなみに、オズボーンは、発散技法についても、さまざまなものを創っています。ブレストだけじゃないのです。)創造学会に属する先生方のうち、PS技法系の先生は、よくご存知だとおもいますが、それぐらいかもしれません。(私のこのあたりの情報源は、その先生方です。ツール開発チームに入っていただいているので情報源にとても恵まれております。)
まず、簡単に、聞きなれない英単語、聞きなれた英単語を、一度、調べてみます。
strive (…を求めて)努力する
affirmative 肯定的な
deliberate 思慮のある
objectives 目標
Improve 改良する
Consider (ある決定・理解のために)よく考える
novelty 新しさ
これらを踏まえると、以下のように訳されます。(石井意訳)
To Diverge・・・ (発散思考のためには)
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Defer judgment. (判断を遅延せよ)
Strive for quantity. (量を求めよ)
Seek wild ideas. (突飛なアイデアを探せ)
Build on other ideas. (他のアイデアのその上に作れ)
To Converge・・・ (収束思考のためには)
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Be affirmative. (肯定的であれ。アイデアのよいところに目を向けよ)
Be deliberate. (配慮せよ。粗い判断をせず全てのアイデアを公平に検討せよ)
Check your objectives. (目標をチェックせよ)
Improve ideas. (アイデアを改良せよ)
Consider novelty. (新しさをよく考慮せよ)
この5つのルール、どう解釈するべきかまようところでしょう。
初めてブレインストーミングのルールを聞いたときと似た感覚を
覚えると思います。
アイデアを収束させるワークでは、
どうやったら心理様式が身につくか
検討する余地が、大いにあるところです。
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IDEAVoteは、それをかなえるためのゲーム風アイテムと
作業プロセスを仕込んであります。
次はそれについて紹介します。