電子書籍の紙に無い操作を、ふと想起
このところ、紙とブックカフェと、iPod touchと(まだ見ぬ電子書籍端末と)を、ぼんやりと考えていて、ふと思いました。
電子書籍のリーダが紙に無い便利な操作をもっているとしたら、それは次の3つではないか、と。(未成熟な段階のアイデアですが)。
極小文字の注釈
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文章の中に、本論の流れを壊してしまうぐらいの長い、しかし、解説したい概念がある、というときに、紙の本ではフットノート(脚注)がつきます。脚注が多いと、読みにくいですが、この点を、電子書籍の場合は、見え方を変えてもいいのではないかと。
Preziというスタイリッシュなプレゼンのつくれるサイトがあります。あそこで、全体俯瞰、微細な具体のコンテンツを言ったり来たりを繰り返して、概念の全体を地図的にみせてくれます。概念の構造を物理的な形でよく見せてくれる、おもしろいものです。
それに似た感じで、新概念の下に、注釈が非常に小さい文字でついている、そして、その注釈を、指でぐいっとひろげると、大きい文字になって見える。読み終わったら、また本文の表示サイズにもどして、よむ。そういう形はどうだろうか、と思います。
この場合、印刷すると、極小文字はつぶれてしまい、不便かもしれませんが、ある種の物事には、印刷すると、有用性をなさない、というのもありなのではないでしょうか。そういうときに良いかもしれません。
また、電子書籍はスライドやページめくりで行ったり来たりをしますが、そういう本文の流れとは別の形で注釈を引き出すほうが、認知的にもいいのではないかと思います。ページの質感をもたない電子書籍には、できるだけ、注釈によるページスライドモーションをさせないほうがいい、と思えます。
また、その新概念を、別のページでも、「あれ、なんだっけ?」と思った場合、その単語を画面いっぱいまで広げると、書籍内を勝手に検索してくれて、その注釈を表示候補としてしめしてくれる。あとはタップすれば、よめる、といった「単語のクローズアップ=検索」という操作が出るのではないかと思います。
ゼリーのような透過性と厚みのある紙
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説明しにくいのですが、紙面に奥行きがある、というもの。
ページ内に写真や図をいれたいが、画面が小さい、というときに、
その写真と文字ページが、レイヤーのようになっていて、何らかの操作で、レイヤーの手前か奥を、グラディエイトにフォーカスを切りかえるような感じで表示する、そんな感じです。
画面が大きくても、それを使いたいだろうケースは、写真集的な資料です。
右ページに、写真。左に文字。そういうつくりのいい大きな本。それを代替するような電子書籍の場合、どうしても画面が小さいか、片側ずつしかだせないかします。
そういうコンテンツの場合に、たとえばレイヤースライダーがあって、それをしゅるるっとすべらすと、文字と写真の透過比率を変えて、表示してくれる。そんな感じです。
これは、画面を左右にかたむけて操作するのもありかもしれませんね。すこしかたむけると写真がすっとでて、逆にかたむけると、もじがぱりっとでて、みたいな。
本の蛍
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本を楽しむよりも、強制的に目を通したい時に、使います。
本を読む速度を設定して、スタートを押すと、暗くなったページの中を蛍が文字を追いながらするるっとすすみます。大体、前後1行もみえるぐらいの、やわらかなスポットライト。それを追いかける形で本をどんどん読んでいきます。だんだん追いついてしまうようならば、蛍に「砂糖水」をあげて5%早くしてもらいます。早すぎるときとか、行間に何かを感じて止まりたいときには、蛍を指で押さえておきます。しばらくとめれば、そこで蛍はとまるし、また進みたいときは、こんこんとたたくだけ。自分がどこで泊まったとかも、蛍は記憶しておいてくれて、なにかのデータとしても吐き出してくれる。そういうものです。
そんな感じの機能(紙には無い操作)が、でてくるのかな、とおもいました。
ただ、キラーコンテンツになるのは、「アンダーライン」だと思います。
ソーシャル・アンダーライン
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ソーシャルビューアーで、「書籍ごとににつけたアンダーラインをみんなが共有できるという仕組み」です。
(みんな、じゃなく、あるいは、人を選べる、にしてもいいでしょうけれど。)
本を開くと、じっくり読みたいならば、その機能はオフします。早く読みたいときは、オンにします。すると多くの人がアンダーラインをした文章は、多いほど、スポットライトが当たって見えます。
これは、あるいは、自分がアンダーラインを引きはじめると、その配置に近い人のアンダーラインを検索して、彼らの引いたアンダーラインを、「アンダーライン候補」として後半のページに、スポットライトで仮表示してくれます。高速でさささっとよんでいくなかで、そのそのスポットライトを選択的になぞったり(これでアンダーラインが確定)、なぞらなかったりしていく。そんな感じです。