「なぜ会議ではアイデアが出にくいのか」
『なぜ会議ではアイデアが出にくいのか?』→これを、出し合い、より本質だろう要素を挙げられた人の意見を選出するトーナメントゲーム(ミニワーク)を時々行っています。未来の経営者の集まる場で行ったときの物で、公開が許されたケースのものを、シート(書き手)単位で掲載します。
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→1「ないから」2「否定がいや」3「言うまでもない、あたりまえ」4「いったとこで何が始まる」
→「アイデアを出して反対、追及される」
→1「否定される」2「笑われる」3「話しべた」4「面倒(参加したくない)」
→1「アイデアが浮かばない」2「恥ずかしい」3「怖い」4「参加したくない」5「話し方が分からない」
→1「アイデアがない(考えてない)」2「その場の雰囲気(聞く立場の問題)」3「テーマが良く理解できない」
→1「周りのプレッシャー」2「他人に頼る」3「他人を気にする」4「同じ意見が出る」
→1「間違いが怖い」2「皆と違うといやだ」3「しゃべるのが苦手」4「目立ちたがりと思われたくない」
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以上が、ある場での上位選出された意見(受講者はこの4倍いました。2度の選出を勝ち残った意見なので、7シート(7人)に絞られているものではあります。
さて、これを要因別に直して見ます。
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【1】評価懸念 <10>
「否定がいや」「アイデアを出して反対、追及される」「否定される」「笑われる」
「恥ずかしい」「怖い」「他人を気にする」「間違いが怖い」「皆と違うといやだ」
「目立ちたがりと思われたくない」
【2】発言量の同調
【3】社会的サボタージュ <6>
「言うまでもない、あたりまえ」「面倒(参加したくない)」
「参加したくない」「アイデアがない(考えてない)」「他人に頼る」
「同じ意見が出る」
【4】発話のブロッキング
ここまでは、「ブレストの4つの阻害要因」と呼ばれるものです。2と4については、今回は該当するものがないようです。他にもありますので、グループ化して掲載しますと、こうなります。
【5】アイデアという不確実な要素のある概念を提示するスキルが不足 <3>
「話しべた」「話し方が分からない」「しゃべるのが苦手」
(これは、やや、発言量の同調、にも似ているが。)
【6】アイデアを発想する技術が不足 <2>
「ないから」「アイデアが浮かばない」
【7】アイデア会議の設計スキルが不足 <2>
「周りのプレッシャー」「その場の雰囲気(聞く立場の問題)」
【8】適切な発想テーマを設計するスキルが不足 <1>
「テーマが良く理解できない」
【9】アイデア活用の体制が不足 <1>
「いったとこで何が始まる」
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ここまで要因別にしてみたものを掲載しました。
これらの要因への打ち手は、創造工学的な見地から、一つ一つ、提案することが出来ます。
ざっと、対応策を書き出してみました。以下。
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【1】【7】→「判断遅延」(ブレストの第一ルール)と、それをアイデア出しの場に上手く共有させる方法。
発展材料になる”良い批判”を募るには「書き物にする」(フリップボード会議)
【2】【3】【4】【5】→「アイデア会議のサイズの設定のしかた」(人数を多くしすぎない)と、
とアイデア会議の手法(ブレインライティング、カードブレスト、スピードストーミングなど)
【5】→創造的所産の3要素を知る。(新規性、有用性、実現性)
アイデアへの閾値を下げ、お互いに”プレイズファースト”の役割を
持たせることでの貢献から、はじめる。
【6】→イマジネーションの準備運動、発想トリガー法、インプット法、
発想ノート記法、強制連想法、創造的な心理様式、などを使う。
(発想法の研修は、実は、ここばっかりを提供している。
メインであり大事。しかし、その周辺にも、適切にアドバイスを
する必要がある)
【8】→発想を促進するテーマを上手く設定する技法
【9】→PPCOプロセス(アイデアの強化方法)。
アイデア→トライのための3つの方略。
アイデア評価手法(及び、評価軸の明確化)
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これが、アイデア創出の技術で、リーダに学んでもらうべきスキルだといえます(これもまだ、一部であるというべきですが。)
昔良く、指導教官が「アイデアを創出する技術だけじゃなく、優れたアイデアを組織にアプライするための方略や組織環境をどう創るか。それも研究して提供していかないといけない」と繰り返し行ってくださったのですが、今はその言葉が本当によく思い返されます。(師の言葉は本当にありがたいものです。有難うございます。)
この最後の「アイデア創出の技術で、リーダに学んでもらうべきスキル」については、何らかの形で、一問一答集にして研修の際に配布提供するとか、研修コンテンツの設計の際の基本方針にするとか、そういう形で社会に還元していかねば、とおもいます。この点については、またちかく、書きたいと思います。