TRIZに学ぶ、子供の発想を引き出す3つの発想方法
もし、この一瞬でしか教えられない、そして、3つしか教えられないとしたら、子供に覚えておいてもらいたい発想のヒントとして、次の3つを渡したいと思います。
1.場所を小さく分ける
2.時間を区切る
3.少しずつ解決する
困ったら、この3つで、何か意味を持つものがないか、考えてみると、多くの場合には、なにかアイデアを見出すことができるよ。と添えて。
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(割と、堅苦しい長いコメント)
創造的問題解決の理論「TRIZ」に「”物理的矛盾”の解き方」があります。
物理的矛盾、克服する4つの方法。「分離」
http://ishiirikie.jpn.org/article/832664.html
その4つの「分離」をベースに、子供の理解の水準にして、発想トリガーとしてデザインしてみたものが上の三つです。(今、キッズ向けの本格発想ツールを作っているのですがその中で、最後に「3つのお札」的にTRIZ由来のものを入れようとして、上記のフレーズを作りました。)
補足1)
発想トリガーは「あいまいさ」が必要
それは、解釈の幅を作り、多様な状況や問題の織り成す文脈に適用させることを許容する一つの「特徴」なんです。アブダクティブな推論に基づく発想の力を、人は持つので、その思考力の水準において「ハンドルの遊び」をこういうフレーズには持たせておきます。
補足2)
子供用の思考力と知識前提をもとに、発想トリガーのエッセンスに新しい衣(具体的な表現)を着せる。
「物理的矛盾」の解き方を、直観の理解の範囲に引き戻す必要があります。小2の娘に相当に丁寧に(しかし、うるさくない程度に)、物理的矛盾の概念を説明し、娘は理解した。次に問いました。「これを、お友達のAちゃんに説明するとしたらなんといえば理解できると思う?」と。彼女が答えたものが上記の概念にほぼ近いものでした。
知識前提を小2にかりにすると、かなり知識前提は限られています。「下位システムへの移行」や「条件で分割する」という点についてどう表現するべきか悩んでいました。なんどか喋って娘が示唆をくれました。「そこに含まれる一部分(=下位システム相当の概念)とか、、、とか、条件で分ける、、、とか、言ってもわからない。それって、いろんな場合に、ちょっとずつ、分けて考えるってことでしょ」と。なるほどなぁと思いました。こういう言葉がまとえているかどうかは、「写像としての適切さ」だと思います。この場合は、これはきわめて適切な写像だと思いました。すこしその吟味を書いてみます。この表現だと、「上位システムへ移行して解く」という概念だけは抜け落ちてしまいますが、およそ、物理的矛盾の解き方3と4で行うことになる思考の内容を、やんわりと実践させるものになっています。
補足3)
概念拡張が上手くいくように易しくする
いずれ、もしTRIZをかりに学ぶ時が来たら(相当に、少ない可能性ですが、一応、論じると)、幼き頃の学びというのは、本格の道に進んだ時に、無理なく拡張される必要があります。それがうまくできるようにしておく。ここについては難しいには難しいのですが、そこも一応チェックしてます。
ここに書いたのは、TRIZと子供、ということについての決定版といういう感じの話ではありません。たぶん将来、TRIZの日本人ユーザの中からTRIZのキッズ教材を作る事例が出てくると思いますので、その事例に期待しつつ、今述べることができるコンテンツとして、ここに残しておきます。