知識創造ワンダーランドとしてのJAIST。
-10月29日の様子、続きです。-
また、学内には、赤外線や超音波のロケーション管理システムがあり、IDタグからイヤホンを引き出すと、壁のポスター前に来ると情報が流れ始めます。しかも、毎回同じではなく、そのポスター前で滞在した総時間によって出てくる情報のレベルが変わります。日々のインターネット検索のワード情報なども加味して、個人個人の興味分野とその知識レベルなどにおうて情報が出る、という仕組みです。これには感心しました。
ラボでは、高齢者の認知などの支援のための部屋がありさまざまな仕掛けがあります。床に圧力センサー、玄関には動画記録、ものの位置情報を管理して、おき忘れ・しまい忘れ、の際に、ボタン一つでサーチライトがモノの場所を示してくれる機能も。
一番なるほど、とおもったのが、RFIDを高齢者の方に自発的に持ってもらうために「家族がくれたお守り」という位置づけにすること、でした。なるほど、人は自らそれをしたくなってする、という人間の特性を考えると、どんなに携帯が便利なIDタグでも、IDを持つためには、IT以外の仕組み・運用・意識の持っていきかたも重要。

(写真では見えにくいけれど、スポットライトがめがねケースに当たっています。ほんの下においても、その本にきちんとスポットライトが当たります。戸棚などへしまい忘れる人にも安心。)
それから、ノートの上に書いた文字がPDAに読みとらるデジタルペンのシステム。

(最近では、アイデアマラソンキットなどでも話題のエアーペン。読み取り精度はかなり良好。どんな紙でもOKな使いやすさ。紙にデバイスをクリップで留めるだけ。)
ここのデバイスも優秀ですが、その活用のシステムがすごい。先生が生徒数十人が書いているデジタルデータを一覧にしてみることができます。まるで床一杯に答案用紙を敷き詰めて、リアルタイムで各生徒の回答がつづられていくようなもの。(エアーペン、で検索すると出てくる製品です。)

(紙にデバイスをとめて、専用ペンで紙に書けば、そのデータがプロジェクターのデータに投影されてゆく。ほぼリアルタイム。)
書棚から本を手に取ると、関連したオススメの図書を推奨し、その本のある場所がスポットライトで照らされる、といったものもあります。推奨する仕組みも非常によくできています。
以上のように、JAISTの中は非常に興味深いものが多く、北陸のこの地まで、各界で活躍する社会人が院生として研究に来るのも納得できる、そんな知識創造のフロンティアでした。