創造性テスト、とは何か。
アイデアプラントは、アイデア出しの組織です。最近は主に、ワークショップ講師としてノウハウ提供をすることが多いです。また、その経験を元に、アイデアボード(アイデア出しのゲームボード)を開発しています。
このアイデアボード、これで1時間チームで遊んだら、チームの発想力が高まって、そのあとのミーティングが活性化する、ということを狙って開発しています。いわば、それがこの商品に持たせたい「効能」です。(もう一つ、発想手法を自然に体験する、ということも持たせたい「効能」です。)
新しい商品には客観的なデータに基づく「効能」が書いてありますね。アイデアボードでもそれをしたいと思います。ボードで遊ぶ前のチームの創造性と、遊んだあとの創造性を比べて、プラス方向への変化があることが客観的に評価できたらば幸い。そこで、各種の文献から、創造性テスト、というものについて今日は調べていました。
創造性テストは、心理学の中に言及さています。文献を見ていくと、ある時期から定量評価の方法が取り入れられます。それがどういうものかを、ざっとあたってみました。
静岡大学の弓野教授の書かれているものが端的で分かりやすい紹介でした。以下、引用します。
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「アイディアは「流暢性」「柔軟性」「独創性」に分けて点数化する。流量性は「アイディアの総数」、柔軟性は「アイディアを複数のカテゴリーに整理 、そのカテゴリーの総数」、独創性は「他には出ないアイディアを出した場合に高得 点が得られる」という分類」
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そのほか、オーソドックスなところをあたると以下のようなものがありました。
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出典 心理学事典 平凡社 1981年
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(P530)ギルフォード Guilford,J.P.(1959)は創造性の特性を適性と非適性(動機付け)などに分け、適性の要因として、問題への感受性、思考の流暢性、柔軟性、独創性、再定義、綿密性などの要因を挙げている。
(P531)【創造性テスト creativity test】創造性テストを作成する試みはチャッセルChassell,L.M.(1961)によってはじめられたが、テストの妥当性や信頼性を検討して理論的に構成したのはギルフォードのものが最初である。その種類はだいたい、上述の創造性の因子に対応している。
まず流暢性fluencyをみるテストは、さらに単語、連想、表現、発想などの流暢性テストに分かれる。言語流暢性のテストでは、たとえば特定の文字を含む単語(例:’ユ’のつく3字の単語)をできるだけ多く列挙させる。連想流暢性テストでは連想の速さと反応数をみる。表現流暢性テストでは1つの文章を意味は同じにして表現をいろいろ変えさせ、発想流暢性テストでは特定の条件を充足する物体の名前(例:白くて丸いもの)をできるだけ多く列挙させたり、あるいは逆に1つの物体のさまざまな用途をできるだけ多く列挙させる。
柔軟性flexibilityテストでは、たとえば新聞紙に対して読むものという役割以外の用途を言わせるように、固定観念の枠組みを破って別の用途を考えさせるテストや、マッチ棒でいったん出来上がった正方形群を数本の移動で正方形の数を増減させる順応的柔軟テストなどがある。
独創性originalityテストには、たとえば電話がすべてなくなればどういう事態になるかという問題のように、異常な事態を想定してその結果の発想に含まれる独創性を見たり、与えられた図形の要素を解体して別のデザインを作らせたりする。また、物語文に独創的なスタイルをつけさせる。
綿密性elaborationテストでは、たとえばパーティーなどのプランを立てさせて、その計画の綿密さをみる。
再定義redefinitionテストでは代用品を考えさせてみる。これらの問題はいずれも正解が一つに限られるものではなく、また解答時間もかなり長い。採点基準にも質的な観点が導入されているので、実施は知能検査ほど容易ではない。
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本格的にやろうとすると道のりは長いようです。実効レベルの簡易テストを設定して、先ずはざっくり評価できないか、その手法自体も開発して行きたいと思います。