自分に会いたくなったら、東北へ。
1月28日。奥松島を古い友人と観光していました。昨晩の宿、あけみ荘の目の前にある浜におりてみました。

今年は東北は、暖冬ということで、さほど寒くない海辺でしたが、例年はかなりの寒さでしょう。松島の雰囲気もありつつ、三陸海岸の雰囲気もまじる、味わいのある海岸。周辺の浜には、漁船や猟師網がならぶ、猟師町の港、といった風情満点のところです。一人で海を眺めたいときには、なかなかの穴場。
その後は、仙台にもどる道すがら、途中に水辺の散策道をみつけて、すこしあるいてみました。

水辺の鳥を見るための観察スペースや、水面に設けられた木製の小路。その脇には、枯れたススキ。その姿に、”相田みつを”さんの書を思わず思い出しました。
枯れたすすきがまだ美しい
いのちいっぱい一生けんめい生きてきたからだ
(余談ですが、この後、東北大学にもよってみたら、休日の大学図書館で、退官されて名誉教授となられたS先生にばったりと。きさくな先生でしたが、教え子の10年後の姿に、にこにことされて、立ち話。先生を枯れたすすきというわけでじゃないのですが、退官されてなお、夢をおっている先生のまなざしに、そういう年のとり方ができるというのはすばらしい人生だなぁ・・・と思ったり。)
その小路をとぼとぼと歩いているとこれまた、不思議とふとなにかを思い出したりします。物思いにふけるために文豪が愛した土地、というものが日本各地にありますが、ここもきっとそういうタイプの場所ではないかと思います。
冬の海 枯れた風情の 奥の路 なきことの贅 心に沁みる
自分に会いたくなったら、東北へ
2007年1月28日 奥松島にて