商品の優位性を保つのは、次々開発できる能力。
2月20日。自社産学官連携プロジェクトについて、考えていました。特許による知的財産の保護・戦略的活用ができない商品、というのは実際にたくさんあります。理系分野の商品でもそういうことが良くあります。
宮城にはビジネスプロデューサの高橋四郎さんという方がいてよくビジネスプランコンテストの審査員でコメントしていただくのですが、繰り返しおっしゃるのが「お銚子一本の晩酌じゃだめ。二本目、三本目がないと。」ベンチャーを見るときに、単発で終わりのベンチャービジネスではだめだ、と。第二の開発、そして、さらにその先の開発のネタ、そういうくらいのタマがある事業がベンチャービジネスに成りえるのだ、とのこと。
イノベーションの占有可能性(イノベーターが、その創造した価値を市場から教授できるかどうか)は、4つの要因で決まります。パテント、技術の複雑さ、補完資源、リードタイム。
パテントでは競争優位が長く維持できない、あるいは、パテントがとれないような事業、の場合は、残りの3つが勝てる要因になります。補完資源とリードタイムは大手にはなかなかかないません。よほど、素材の貴重さがあるか、特殊スペックの生産設備が必要でない限り。のこるは技術の複雑さ、です。ひとえに技術といってもさまざま。まさにハイテク、というのもあれば、ノウハウや経験則もあります。これらが、製品を見るだけではなかなか真髄が理解できない、となれば、イノベーターはフォロアーの脅威を退けることができます。
そういう状況であれば、既存の製品をフォロアーがリバースエンジニアリングで模倣し始めても、その時期には次の製品に出せます。次々と開発できること。これが競争力の源泉であり、イノベーションの占有可能性を高めるものです。
自社の産学官連携事業において、どのように、商品のよさを整備していくか、頭をめぐらせるところですが、とにかく、精一杯がんばりたいと思います。