ものさしを創れば、専門が違えどかなり分かりあえる。
8月8日。商品開発の研修の最終日です。今日も沢山、貴重な話を伺いました。
食品の商品開発をしよう、ということで、行ったイメージコラージュ。3人チームになって、ターゲットユーザの現在と5年後をコラージュで表現しました。

それをもとに、「だから、○○という商品を開発します」というプレゼンをします。ターゲットユーザの今と未来のイメージを可視化して、表現したものは、実際にトップ企業の商品開発で活用される感性重視の開発手法。
さて、今回の研修で一番大きな収穫は、実は、私にとってはデザイン系のことではなく、高度に暗黙知を可視化する知の構造、について深く観察できたことでした。
今回まなんだ、感性を定量的に扱う手法は、デザイナーと営業サイドが、あるいはデザイナーとプランナーが、「こんなものをつくりたい」の「こんな」をお互いに可視化して高度に理解しあうことを促進するツールです。
イメージ同士を語り合う場合に、言葉上でイメージをすり合わせても、具体物になるとその質感や色味などはちがったります。出来るだけ、具体的に話せ、ということをどこでもいうわけですが、まさにその必要性があります。
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まだ、ちょっと、整理できていないのですが、新しい知の構造に接して、触発されるもろもろの発想の断片を、以下、メモ的に。
(1)
具体的に話せ、という意味では、科学技術コーディネータが使う手法にSN(シーズニーズ)変換表、というものがあります。シーズとニーズを機能属性フィールドを媒介させてマトリックスとして写像するツールです。これにより、学と産が効果的にテーマや個別要素を語り合える、というもの。ただし、ツールとしての効果は使い手の技量によるものが大きいのも確かです。レクチャー無しにツールだけを渡されても厳しい。
SN変換と、今回の手法、比較しながらすこし検討してみたいと思います。それにより、暗黙知を語りあげる「ものさし」づくり、へのヒントをあぶりだしてみたい、と。
まず、SNは、学がシーズを、産がニーズをあげていきます。おのおのが、機能効能を一歩踏み出して話します。
今回の手法は、プランナーがデザイナーに対して、商品イメージを可視化して伝える、かなり高度な情報をふくめて伝えるもの。
この意味では、相互のあゆみより、と、一方が伝える、という違いがあります。
次に伝える情報の性質、です。SNは技術や商品用途などを話します。かなり言語で説明可能なぶぶんをもちます。
今回の手法は、色やテイストなど、言語で説明しにくい部分を沢山持っています。
(2)
テイストなどを語る代表的な9のキーワードをあぶりだしています。それをさらにおのおの5つに分けて、45の表にしています。あるいはおのおのを13に分けた、117分類。
これらのプロットされる位置、要素のとり方、は、どうせっていされているか、といえば、世の中にある「異なるテイスト」のものを異なると判断できるように、物差しが作れています。(よのなかのほとんどが一箇所にくるようでは、ものさしとしてほとんど意味がありませんから)
その意味では、市場の視点で、適切な指標作り(ものさし作り)がなされていますね。
この物差しができると、ある種のイメージを、一言で表したあとに、この表のA要素が7割で、Bが2、Cが1です。といえばかなり誤解無く相手に伝わります。これを何とかSNに転用したい。
そのためには、産側が欲しい技術を語るための2軸をいくつか持っていないと。基礎技術⇔応用技術、という軸があるかもしれません。(また、ハイテクかローテクか)。他方の軸は、特許技術(独自技術)⇔コモディティー技術(汎用技術)です。
こうしたに軸を元に、9つの要素を作りだすことが出来れば、かなり科学的なマネジメントができるのではないかと思います。
これをつかって、企業の連携要望をインタビューすれば、相手を捕まえる前から、思いを可視化することが出来ます。
ざっくりとですが、このようなことを検討していました。
(3)
8月9日の追記:
某新聞記者さんと起業家さんのお引き合わせをコーディネート。
その際に、記者さんの聞きたいことを、起業家さんが汲み取れずにしゃべる様子を観察。文化背景・職業・興味が異なれば当然こういうことはある。私のようにコーディネートが必要なのはそれぞれの受け取り手の意図を汲み取り相手に伝える役割が効果的だからだ。その意味で今まで無意識にしていた合いの手を、ここに来て、ふと、「ものさし」にできないか、と考えていた。記者さんの聞きたいことは、「5W1H(6W3H)」の質問系で表現されれるわけであるが、その聞きたい意図の本質的な視点を、汲み取らないと、答えは言えども、本質を伝えられず、ということが起こる。記者さんが取材するときには、インタビューが捉えにくい感性的な質問は、「ニュース性がどの切り口で見れば、あるのか」ということだ。インタビュイーはどう答えればそれに答えることが出来るのかわからない。記者さんにはイメージがある。相手には無い。ここだ。
ニュース性を作り出す7つの視点、というものがある。およそ社会にある様々な事象を、大くくりに分類している。この7つの周辺には、さらに、幅があるだろう。それを「ものさし」として2次元マップに展開できれば、かなり相手とのコミュニケーションが促進されるのだ。インタビュイーも「今回の取り組みは、若干○○な要素を持ちつつも、□□な要素に重点がある取り組みです。」といえる。相手に不要な誤解・混乱を与えることがへる。「□□な取り組みです」といったシンプルなものであると、伝わりやすい。しかし世の中の出来事は必ずしもそればかりではない。
ものさしとしての「ニュース性の感性的MAP」ができれば、コーディネートをする人がいなくても効果的なコミュニケーションが達成されるかもしれない。
(4)
ビジネスプランを書くこと、に通じるものがある。ビジネスプランは関係者納得のツールでもある。この点は似ている。似ていないのは、自分自身をぶれないようにする羅針盤であること。迷い探しつつける起業活動の日々で自分の進路がずれないようにする機能がある。また、最終的には変化していくわけであるが、どれほど計画よりも舵を切ったかもわかる、という効果も持つ。
イメージコラージュにも、実はそうしたものがあるのではないだろうか。自分自身の初期の構想デザインがぶれないようにすること。それから、最終的に変更して言った際に、何がどれほど収支をうけたか、というものが具体的にわかるようになる。そういうものではないだろうか。