2007年最大の出会い。中村俊郎さん(中村ブレイス訪問記3)
午後3時ごろから中村ブレイスの別館、メディカルアート研究所を見学しました。中村俊郎さんの奥様にご案内していただきました。
写真を掲載するのは差し控えたいと思いますが、その製品の質感は素晴らしいものでした。触ってみて、皮膚の弾力、張り、表面の皮膚感まで、よく出来ています。乳がんで乳房を無くなった方のための乳房もあります。どれも非常に良くできていいました。
この企業が無かったら困る。そう顧客が心底思うだろうモノづくりをしています。(本当はここが一番書きたいところです。仲間内で訪問記を報告する時にはここを焦点を当てて話しています。同社のモノづくりは、心に響くような別格のクオリティーです。)研究所の内部のことなので配慮して、WEB上には出さずに起きます。ただ、義肢(義手・義足・人工の乳房など)がどのくらいの品質でつくれているのかどうしても知りたい、という方がいらしたらご連絡下さい。多分、同社の製品についてよく知りたいと思っておられる方はずっといるでしょうから。お気軽にご連絡下さい。rikie.ishiiあっとyahoo.co.jp)
その後は、別館の一部である松江銀行本館を移築した建物を見学させてもらいました。詳細は差し控えたいと思いますが、歴史や文化資産を大切にする中村さんの姿勢が形になったようなスペースです。それは思いがけない見学内容でしたが、それもとても興味深く見学しました。
その後、本館に車で戻ると、なんと驚いたことに、中村俊郎さんが社の前でたって待っていてくださいました。これには本当に恐縮し、そして飛び切りうれしかったです。実るほど頭をたれる稲穂かな。中村さんのお人柄だなぁ・・・と深くそのときの光景は焼きついてます。超多忙な社長が縁もゆかりも無い訪問者である私を快く向かえてくださり、午前中一杯お話につきあってくださり、午後は帰り際に見送るために建物の外で待っていてくださる。私はそのときに、圧倒的な何かを感じるのでした。経営学の教科書にあるような大事なマネジメント要素には、ほとんど現れてこないとても大事なものを。
その後、電車の時間が少しあったので、応接にもどり、夫人と同社で働かれている中村さんのご子息のお二人とお話をさせてもらいました。
その中で、私はとても深く感心したモノがありました。同社の社外秘のレポートです。社是とおなじタイトルのその冊子を特別に閲覧させてもらいました。これについては言及を差し控えたいとおもいます。ただ一つ思ったのは、この優れたものを創る優れた企業は、組織全員が知的活動を行なうことに一つの要因がある、ということ。そしてその組織を作ることは非常に難しいことであるが、同社がそれを実現しているのは、志企業であるがゆえ、だと直感しました。
それから駅まで、社員の方に送っていただいたのですが、道すがら、今日も社内に何人か義足の方がいて多分その人を見ていると聞いて驚きました。私は1人だけわずかに、もしかしたらそうかな、とおもったのですが、それ以外の方ではまったく検討がつきませんでした。同社の製品力のすごさ、その真価をしったのは、この一日の訪問の最後の最後でした。
送ってくださった方に御礼をいい、大田市駅で単線の小さな電車を待つ間、私は全てのことをくりかえし思い出していました。同社のことをしっかし頭に入れて帰り、仙台にもどったら仲間たちや私が応援したい企業さんに、今日のことを踏まえて話したいとおもい。
追記:
この訪問記を書くまでに2ヶ月以上の時間がかかりました。忙しかったからではなく、感じ取ったことが多すぎて、どこから書いていいか分からなかった、というのが実情です。今でもまだ、書き出すには早いのかもしれません。
同社のことをお正月に、毎晩寝る前に考えていました。
同社のことを短い言葉で切り取って表現するなら、それは何だろうと。
「THINK、品格、末永く」
知的なクラフトマンの組織、強い組織、その根底は「THINK」
丁寧に手間のかかる工程を重る、ぬくもりの伝わる手作業が生み出す、その優しい製品の根底は同社の風土に感じられた「品格」
顧客の体の一部を創る、分身は非常に長期間使われる、その眼差しは「末永く」未来と顧客を見つめる
そんなことを思いました
2番目の品格は、「優しさ」や「暖かく」と表現しようかとおもったのですが、それよりも一段高いもの=知性、品性を組織風土として感じたので、品格としました。
(ちなみに、シンク・ヒンカク・スエナガク、と韻を踏んでみました)
追記2:(2009年12月31日)
THINK。暖かく。末永く。
の方が、同社を表現するのに、ふさわしい気がします。